アメリカ経済と株式市場の先行きに悲観を示していたレイ・ダリオ氏も、今年に入って方向転換を表明。どんな変化が起きているのか、世界の景気動向を解説します。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)
※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2019年2月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
「最後の一刷毛」なのか?ただの「レンジ相場」なのか?
中国側は「人民元カード」を切って、トランプ政権に大きく譲歩
今週は、
- インドとパキスタンの間で緊張が高まった
- ライトハイザー米通商代表の議会証言でのタカ派的な発言があった
- 米韓首脳会談では、これといった進展なしに合意が決裂した
- インド・パキスタン間の緊張もすぐに峠を越えました
- トランプとライトハイザーの間の意見対立は今に始まった
と、いろいろと気をもむ場面がありましたが、
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ではありません。
ライトハイザー通商代表は、がちがちの「筋の通った」対中強硬派です。知的財産権の保護・安全保障上の問題も含めて長期的な視野に立って米中通商協議を考えています。
トランプ大統領は、ライトハイザーとは対照的に、人気取り目当てで「対中強硬姿勢」を取っています。
しかも大統領は、株価を気にしています。今すぐ手柄の欲しい、思い付きで行動する人物です。大統領はとりあえず、中国がトランプに花を持たせる形で「人民元高政策」を切ってくれば、関税をこれ以上引き上げないとするスタンスでしょう。
平たく言えば(もっと赤裸々に言えば)、トランプ大統領は「中国の不動産や株式市場で再びブームが巻き起これば、彼の親族(クシュナー娘婿など)ががっぽり儲けられる」ことに一番関心が強いかもしれません。
なにはともあれ、ライトハイザー代表とトランプ大統領の間に意見対立があることは、かねてから分かっていたことです。
さて、米朝首脳会談で進展が見られなかったことは、想定の範囲内。米韓の間で緊張が高まったわけでもなんでもない。昨日は、メディアが過剰に流す「合意決裂」のテロップに、AI(人工知能)が過剰に反応しただけです。
その一方で、良い情報もありました。
パウエルFRB議長は、今週の議会証言で「パウエルプット(FRBは市場が下落すれば金融緩和へ転じる可能性があること)」を重ねて示唆する発言を行いました。
2月28日に、アメリカの2018年第四四半期の実質GDP成長率が発表になりました。
マーケット予測よりも0.4%高い2.6%でした!これを受けて、アメリカの長期金利も2.66%から2.72%へと上昇しています。
為替もドル高に振れて、ヨーロッパ株式市場と日本株式市場は上昇しています。
今週は、日本金融村では、「中国経済と世界経済は、最悪期を脱して底を打ったのではないか?」といったところが、話題になっています。