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海外メディアが消費増税を痛烈批判、日本のデフレと貧困化が国際問題に=児島康孝

デフレで国民生活が低迷していながらも好景気と主張する日本に対して、海外メディアやIMFが皮肉を言い出しました。それによってか国内の見方も変化しています。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)

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大学生の生活費は1日677円?日本人の生活は急速に悪化している

あのウォールストリートジャーナルが皮肉

デフレ基調を抜け切れずに、国民生活が低迷している日本。

これまでは、低所得層が問題を主張しても、大手メディアを含め「日本の景気は良くなっている」という話ばかりでした。

ところが最近、ウォールストリートジャーナルが日本の「消費増税」に皮肉を書いたり、IMFが財政出動の必要性を言ったり、外国からの見方が変化してきています。
※参考:日本の消費増税「自傷行為」=米紙社説 – 時事ドットコム(2019年4月6日配信)

これは、トランプ大統領のアメリカの考えでもあるのでしょうか?

この時期にというのは不思議なのですが、デフレの問題点を主張してきた日本の一部の国内勢力には、思わぬ「援軍」です。

日本のデフレは国際問題

最近のアメリカや中国の経済政策を見てもわかるように、財政出動や金融緩和で世界経済を良くしよう、という流れです。

その中で、日本だけが増税を主張したり、実質「金融引き締め型」の金融政策を続けたり、ということが、特に目立ってきています。

もっと直接的な話でも、日本国民の収入が増えないと、アメリカのグレープフルーツや牛肉を買うことができないのですから、日本のデフレの問題は、アメリカの商品を購入するという面でも、国際問題であるわけです。

日経新聞の論調にも変化

日経新聞は、長く、日銀の金融政策を「擁護」してきましたが、最近は論調に変化がみられます。

日銀の日本株買いの異常さを指摘するようになり、いつまでもインフレ率が上がらないのに、景気が良くなってきているとか、デフレ脱却とかいっていることに対して、はっきり、問題点を指摘するようになってきています。

あまりにも国民生活と乖離した説明を鵜呑みにして信じることは、さすがにできない、ということなのでしょうか。

Next: 大学生の1日の生活費は677円、日本人の生活は急速に悪化している



大学生の1日の生活費は677円

つい最近、東京私大教連(東京地区私立大学教職員組合連合)の大学生の生活調査結果について、週刊女性PRIMEが報じています。
※参考:1日の生活費は「677円」と判明、いまどき女子大生の貧困リアル事情 – 週刊女性PRIME(2019年4月18日配信)

この記事は、親元を離れて暮らす、首都圏の私立大学生の生活を報じたものですが、記事では、2018年度の調査の数字として、1日の生活費は677円(ピークの1990年度が2,460円)と報じています。

これは国民の実感と近い数字でしょう。

自由になる生活費には食費も含まれているわけですが、これが、1990年の日本経済のバブルの頃と比べて4分の1ぐらいにまで落ち込んでいるというわけです。

とても、内需振興とか、景気回復どころではありません

日本人の生活は悪化している

また、大学生にカネがないということは、その親にもカネがないということです。

最近のコンビニのイートインを見ましても、昼食をカップ麺で済ませるOLらしき女子が増えてきています。昔なら1,000円ランチで、「きょうはどこに行こうか」とみんなで楽しく出かけていました。

そういう光景が、今の日本の民間人には、20年から30年前の遠い過去のものとなっています。

そこまで日本人の生活が悪化してきているわけですが、日銀が、株式(ETF)を買って、経済の実像を「粉飾」しているため、金融政策では、こうした国民の実像には知らないふりを決め込んでいます

Next: 海外からの圧力で日本国民の生活は変わるか?



外圧で国民生活は変わるか?

日本国民の実情には「鈍感」な金融政策なのですが、アメリカやIMFが問題視すると、変わってくるかもしれません。

日経新聞も、日本人の生活の実情を反映せざるを得ないのでしょう。

こうした内外の変化が、政治家や日銀にプレッシャーを与え、日本経済を良い方向に導くかもしれません。

日本人の生活を悪化させることが、「反米行為」である、ということになると、これまでの政策のモノサシが、ぐるっと変わることになるかもしれません。

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2018年9月配信分
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「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』(2019年4月20日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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