マネーボイス メニュー

地球から政治家が消える?欧州で「人工知能」に政治を任せる動きが拡大中=浜田和幸

欧州各国では「政治家不要論」が台頭している。アンケートによると、4人に1人が「国家にとって重要な決定は人工知能に任せるべき」と考えているようだ。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2019年4月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

スペインで「近い将来なくなる職業」首位は政治家。日本も不要?

もう政治家はいらない

ぶっちゃけ、欧州各国では「政治家不要論」が台頭している。

最近、スペインの大学が実施した欧州8カ国の国民を対象にした世論調査の結果を見ると、政治家という職業が「絶滅の危機」に瀕していることがよくわかる。

平均すると、4人に1人が「国家にとって重要な決定は人工知能に任せるべきだ。少なくとも人間の政治家よりはマシだ」と考えている。

この傾向はイギリスとドイツでは特に顕著で、3人に1人がそう思っているのである。

人間の政治家は役立たず?

英国ではEUからの離脱の是非を巡り、一向に方針が決まらない。このままでは日本企業も含め、英国から脱出する企業が増える一方だ。まさに、英国経済は破たん寸前といえる。

また、ドイツでもメルケル首相は自ら所属する政党の代表を退いたにもかかわらず、首相の座に居座っている。というのも、ドイツ銀行が計上した7,000兆円もの損失をいかに救済するか、という国家存亡の危機に直面しながら、誰も責任を取りたがらないからだ。

こうした国家的危機をもたらした責任はどこにあるのだろうか。

大局観を持たず、自己保身に走る政治家に責任がある」と多くの国民が考えている。その結果、欧州の大半の国民は「人工知能(AI)に任せた方が安心できる」と思い始めているようだ。

ノルウェーで「AI政治」がスタートしている

欧州の中でもデジタル化が最も進んでいるノルウェーでは、AIを活用した新たな試みがスタートし、世界の注目を集めている。

何かというと、「国家がとるべき政策の選択肢の評価をAIに任せる」という試みである。

具体的にはシリア難民の受け入れ拡大の是非を問うケース。ノルウェーではシリア難民を人道的観点から受け入れているが、地元住民との摩擦が深刻化している。そこで、「今後も難民を受け入れるべきか否か」が大きな政治課題となってきた。

しかし、政治家には決断が難しいため、受け入れを継続した場合と中断した場合の政治・経済的・社会的なプラスとマイナスをAIの力で客観的に評価し、国家にとっても公正な判断をさせようというわけだ。

ノルウェーでは、各都市の細かな住環境や住民意識のデータが蓄積されている。

そのため、難民の受け入れに好意的な地域がどこか、どの程度までなら受け入れが可能かどうか、といった判断をAIの力で明らかにできるという。

Next: スペインでは、近い将来なくなる職業のトップが政治家。日本も不要かも?



いつまで政治家稼業が存続するのか

いずれにせよ、スペインの世論調査の結果では「近い将来、70%の確率で無くなる職業のトップが政治家」とのこと。

ぶっちゃけ、選挙真っ盛りの日本だが、いつまで利権の温床と言われる「政治家稼業」が存続するのか、あるいは「存続させるべきか」を真剣に考える必要がありそうだ。

有料メルマガ好評配信中! 続きはご購読ください

【関連】客数減に苦しむイケア、再生プランの実験場は日本?新社長が打ち出した2つの秘策とは=浜田和幸

<メルマガ購読ですぐ読める! 7月配信済みバックナンバー>

※2019年7月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

・大阪G20サミットで一番得点を稼いだのは誰か?(7/5)
・フック首相の多面的な経済外交を支えるベトナムの日本語学習熱(7/5)
いますぐ購読!


※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2019年4月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読ください。

【関連】韓国経済に致命傷。輸出規制は反日の報復ではなく、北朝鮮への「横流し」対策だった

【関連】騒がれていた温暖化は「氷河期」再来の前触れだった?太平洋の海底温度は低下中=浜田和幸

【関連】コメディ俳優が大統領に就任。ウクライナ国民が汚職と米国支配にNOを突き付けた=浜田和幸

浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』(2019年4月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

有料メルマガ好評配信中

浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』

[月額550円(税込)/月 毎月第1金曜日・第2金曜日・第3金曜日・第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
かつて人気を博したニッポン放送オールナイトニッポンの「世界びっくりニュース」を彷彿とさせるべく、フランクな語り口で、知られざる内外の『ぶっちゃけ話』をお届け致します。例えば…① 「爆買い」中国人観光客を上回る金額を日本で消費している国がある!?② 「発明王エジソン」の遺言を頼りに、無料の無限エネルギー開発に成功した企業がある!?③ 「不動産王」にしてアメリカ大統領候補トランプ氏に、北方領土問題解決の秘策あり!?…その他耳よりの情報が満載!

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。