トランプ政権の目の敵にされているファーウェイが新たな事業に乗り出したという。何かといえば、ワインの生産だ。地元企業と提携してスマート農業に取り組む。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
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国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
「カナダの全ての農家をスマート農業に」ファーウェイの生存戦略
なぜワイン?
トランプ大統領から目の敵(かたき)にされている中国の華為技術(ファーウェイ)であるが、事業は世界的に拡大する一方だ。
アメリカから脅威と受け止められている次世代通信技術「5G」に関しても、トランプ政権の圧力にもかかわらず、アジアやヨーロッパでは圧倒的なシェアを占めている。
それどころか、ここにきてファーウェイは新たな事業に乗り出した。
何かといえば、ワインの生産である。しかも、カナダのオンタリオ州でのこと。
ファーウェイは地元企業と提携し、「スマート農業」に取り組み始めた。
具体的にはワイン農家と契約し、ドローンを使った葡萄の育成状態の正確な把握や商品の配送、気候に応じた水や肥料の適正な管理、コレクター・ワインの宣伝サイトの運営、消費者との双方向によるホログラフ・コミュニケーションを活用したワイナリーの観光事業化といった具合だ。
最先端の通信技術をフルに活かした「インテリジェント・ワイナリー」を目指すという。
要は、「農業分野における革命をもたらす」というのがカナダでのファーウェイの新戦略だ。
カナダで逮捕されたCFOは…
ご承知のように、ファーウェイの創業者の娘で同社の財務担当の孟晩舟副会長はカナダのバンクーバー空港で拘束され、現在も自宅軟禁状態に置かれている。
この逮捕劇はトランプ政権の要請を受けてのこと。
理由はファーウェイがイランへ通信機器を違法に輸出したためという。
しかし、イランへの禁輸措置は国連の決議を経たものではなく、アメリカが一方的に宣言しているだけで、国際法上は何ら強制力のないもの。
いわば「自国の都合を最優先する」という自分勝手な言いがかりといっても過言ではない。
アメリカ政府はカナダで拘束した孟晩舟副会長をアメリカに移送し、ニューヨークの裁判所で有罪に持ち込もうと画策しているようだ。
もし、有罪となれば、禁固30年ともいわれている。
トランプ大統領は対中貿易交渉を有利に進める交渉材料にしようと目論んでいるに違いない。
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「カナダのすべての農家をスマート農業に」
そんな中、ファーウェイはカナダにおける新たな通信事業の一環として同国の農業や観光産業を支援する動きに乗り出したのである。
ファーウェイ・カナダの責任者であるペレイラ氏は「カナダにおいてすべての農家がスマート農業の恩恵を享受できるように協力する。2030年までにカナダのすべての農家と市民の間を高速のインターネットで結ぶ」とも宣言。
こうした戦略が孟晩舟副会長のアメリカ移送を食い止めることになるかどうかは不明だが、ぶっちゃけ、成功すれば、多くの中国人が有名なカナダ産のアイスワインで乾杯ということになるだろう。
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・カナダでワイン作りに参入するファーウェイの狙い(8/3)
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『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』(2019年8月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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