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株式貸株運用の停止を発表したGPIF、日本株での運用は行っておらず影響は限定的=櫻井英明

3日、GPIFは株式貸株運用を停止すると発表。ただ、GPIFが日本株のレンディングを行っていないことから、日本株への影響は限定的との見方。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)

証券業界がすがる、90年代の遺物はどうなっていくのか

勘違いしたヘッジファンドがトヨタにショートカバー

市場の声。「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるレンディング中止。勘違いしたヘッジファンドからトヨタ<7203>にショートカバーが来ていたようです」。

3日、GPIFは株式貸株運用(レンディング)を停止すると発表。一部ではヘッジファンドなどの空売りがやりづらくなることから、日本の株式市場でも混乱が起きるのではないかとの見方が出ていた。

ただ市場からは「GPIFが日本株のレンディングを行っていないことから、日本株への影響は限定的」との見方。ネット証券が売買手数料の無料化という究極の消耗戦に進む中で貸株の収益化などがみられるのも事実。自分で自分の首を絞めている構図は、GPIFも黙って眺めるわけにはいかないのだろう。

もっとも…、レンディングストック、ブロックオファー、リンク債などいまだに90年代の遺物にすがる証券界。この20数年の不毛の競争の先を見るなら必要なのは「スピードと仮需の創造」という先人の言葉が甦る。

《東証1部昇格期待銘柄群》

キャンディル<1446>、田中建設<1450>、田辺工<1828>、PCNET<3021>、タイセイ<3359>、JTECCO<3446>、フェイスNW<3489>、スタジオアタオ<3550>、ピーバン<3559>、コラボス<3908>、ロングライフ<4355>、ips<4390>、EduLab<4427>、東海ソフト<4430>、スマレジ<4431>、リンクバル<6046>、メドピア<6095>、ミダック<6564)、エヌリンクス<6578>、ViSCOTEC<6698>、プロレド<7034>、anfac<7035>、ツクイスタッフ<7045>、フロンティアI<7050>、デイトナ<7228>、オートウェル<7670>、AmidAHD<7671>、神姫バス<9083>、一家ダイ<9266>、ギフト<9279>、アシード<9959>。

<各社の20年末のTOPIX見通し>

(カッコ内は日経平均、※は12カ月先、日付はリポート発表日)

ジェフリーズ          2000、11月11日
ソシエテ・ジェネラル      (2万5500円)、11月20日
クレディスイス         (2万5500円)、11月21日
三菱UFJモルガン・スタンレー   1900(2万5000円)、11月25日
ゴールドマン・サックス     1800(2万5000円)、11月21日
モルガン・スタンレー      1860、11月17日
UBS               1860※、11月13日
野村              1850(2万5000円)、11月15日
バンカメ・メリル        1750(2万4000円)、11月19日
LBBW              (2万3500円)、11月19日
みずほ             1600(2万1000円)、11月29日

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親子上場の解消に向けて動く可能性がある企業とは?

SMBC日興証券の指摘は「2020年は投資家から親子上場解消に向けた提案が一段と増加する公算が大きい」。親会社のキャッシュが多い親子上場銘柄のうち、子会社の自己資本利益率(ROE)が8%以上、8%未満の銘柄リストリストアップしている。

<親会社のキャッシュが多く、子会社のROEが8%以上の親子上場銘柄>

(SMBC日興証券調べ、一部抜粋)

(子会社) (親会社) (子会社ROE)
GMOペパ<3633> GMO<9449> 35.4
ギガプライ<3830> フリービット<3843> 31
ベネ・ワン<2412> パソナG<2168> 30.7
Vコマース<2491> ZHD<4689> 28.5
テンポイノベ<3484> クロップス<9428> 25.1
PRTIMES<3922> ベクトル<6058> 23.5
GMOPG<3769> GMO<9449> 23.4
ソウルドアウト<6553> オプトH<2389> 21.9
東京個別<4745> ベネッセHD<9783> 21.8
フォーバルTL<9445> フォーバル<8275> 19.9

<親会社のキャッシュが多く、子会社のROEが8%未満上の親子上場銘柄>

(SMBC日興証券調べ、一部抜粋)

(子会社) (親会社) (子会社ROE)
マックハウス<7603> チヨダ<8185> -3.1
FDK<6955> 富士通<6702> 0
ニッセイ<6271> ブラザー<6448> 1.3
アヲハタ<2830> キユーピー<2809> 2.2
理コランダ<5395> オカモト<5122> 2.6
GMO TECH<6026> GMO<9449> 2.6
不二家<2211> 山崎パン<2212> 2.7
北海コカ<2573> 大日印<7912> 3.2
トッパン・F<7862> 凸版印<7911> 3.3
ユタカフーズ<2806> 東洋水産<2875> 3.4

ところで…、1976年以降の12月日経平均株価の月中平均値を前月と比べると、過去43年のうち28年で上昇。平均で1.6%値上がりした。

海外勢は、03年以降では16年のうち11年で12月は買い越している。

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image by : Joyseulay / Shutterstock.com

「兜町カタリスト」』(2019年12月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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