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アメックス株はなんと、半世紀も…バフェットが同じ銘柄を長年持ち続けるワケ=栫井駿介

バフェットの投資スタイルは言わずと知れた長期投資、それも「保有期間は永久」と言うほど長い期間に及びます。なぜこのような信念を貫いているのでしょうか。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

よりリスクが低い方法を選択する、バフェットの投資スタイル

近視眼的な投資で失敗する原因

バフェットの投資スタイルは言わずと知れた長期投資、それも「保有期間は永久」と言うほど長い期間に及びます。

彼は1960年代にアメックス株へ投資していますが、いまだにポートフォリオの大きな割合を占めます。保有期間はすでに半世紀以上にのぼり、「永久」とする保有期間にふさわしいものとなっています。

バフェットはなぜこのような信念を貫いているのでしょうか。

世の中を見ていると、短期的な売買で莫大な利益をあげる人も少なからず存在します。そのような例を見ると、そちらの方が効率が良いように見えますね。

実際に、多くの人は株式投資に一攫千金を夢見ています。私に相談に来る人でもそう考える人は珍しくありません。ほとんどの人がそれしか考えていないのではないかと感じることさえあります。

しかし、現実はそう甘くありません。短期の株価の動きは「ランダムウォーク」とも呼ばれ、事前に予測することは困難を極めるのです。

中には短期的なトレードで「当たり」が続く人もいます。しかし、それに気を良くしてやがて一攫千金を狙って大きすぎるリスクを取ってしまい、そんなときに限って予測が外れて一夜にして資産を失ってしまうのです。

有名な個人投資家がある時姿を消してしまうのはこれが原因です。かつて投機家として巨額の富を築いたジェシー・リバモアも過大なリスクにより何度も破産を経験し、最後は自殺してしまいました。

短期でも長期でも、リスクを管理できない人はうまくいきません。そして、短期的な取引にはまると、ついリスクの高い取引に手を出してしまいます。バフェットは、よりリスクの低いと考えられる長期投資を選択しているのです。

近視眼的な投資では理性を失い、結果としてお金と時間を失う

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