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さすがトヨタ。キャッシュレス決済に参戦で、日本全国の老若男女から現金を奪う勢い=岩田昭男

PayPayでも楽天Payでもなく、あの「トヨタ」がキャッシュレスを過疎地域も含む日本全国に広める可能性が出てきた。すでに動き出したその戦略について解説したい。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

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プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

トヨタウォレットの実力とは?爆発的に全国に広がる可能性がある

トヨタとキャッシュレスの深い関係

トヨタというと「キャッシュレスとは無縁」と思っている人が多いだろう。しかし実際は、自動車販売で関係が深い

特に1990年代に発行したトヨタカード(後のTSキュービックカード)は、日本でも初めてといってよいほど早く店舗の垣根を越えてポイントが貯まるスキームを作ったという点で、画期的であった(それ以来、日本人はポイント集めに熱中するようになる)。

あいにくこのところトヨタは、キャッシュレスについては新しい動きを見せていなかった。

しかし、同社の豊田章男社長は常々、車が売れなくなっている中で、「トヨタは車を作って売るだけでなく、『移動』に関わるあらゆるサービスを提供する『モビリティーカンパニー』への転換を目指す」と宣言している。

自動運転の実用化が近いこともあって、キャッシュレスの世界とどう関わっていくのかに注目が集まっていた。

ひっそり始まった「トヨタウォレット」

そんな折、11月18日のLINEとヤフーの経営統合の発表が日本中を揺るがしたが、その翌日に「トヨタウォレット」という新しいサービスが出るという報道が目を引いた。

これはスマホにダウンロードして使うトヨタ専用の決済ウォレットといえるもの。

最初はiOS(アップル)対応からサービスを開始するとのことだったが、不思議なことに、騒いでいるのはウォレットに載る予定の三井住友銀行オリガミペイ銀行ペイといった決済事業者やベンダーなどだけだった。
※参考:トヨタの決済アプリ | TOYOTA Wallet

肝心のトヨタ自動車がまったく何の発表もしなかったので、「誰が」「何のために」、このデバイスを使ったらいいのかがわからず、不満が残った。

どうやらLINEとヤフーの動きに危機感を持ったベンダー関係者がリークしてしまったのではないかとみられる。

しかし、それから数日して謎が解けた。「移動する」人たちのためのルート検索アプリ『マイルート(my route)』の運用開始がトヨタ側から発表されたからだ。

Next: 本命はルート検索アプリ「マイルート」? トヨタが決済事業に殴り込み

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