トヨタ式でキャッシュレスが日本の隅々まで行き渡る?
しかし、全国に広めるためには1つだけ不満がある。
『マイルート』の仕組みは、基本的にはスマホが前提となっていて、スマホのリテラシーの高さも要求される。そうなると過疎地に限らず高齢者たちにはハードルが高くなって参加できないのではないかと心配だ。
そこのところをトヨタの力で何とかして欲しい。
例えば「ラクラクホン」のような高齢者向けのスマホを開発してくれないだろうか。大きなボタンを1回か2回押しただけの簡単操作でタクシーを呼んだり、決済できたりすればこんなによいことはない。
特に毎週のように遠くの病院に通わなければならないおじいさんや、遠いスーパーに買い出しに行くおばあさんが楽に扱えるようなスマホが欲しいのだ。
そうなれば、SuicaやPASMOのない、全国のキャッシュレス後進地域の人々に朗報となるだろう。
キャッシュレス戦争はやがて「MaaS事業」戦争へ
さらにトヨタはソフトバンクと「モネテクノロジー」を立ち上げ、MaaS事業をスタートしようとしている。こちらには420社(10月末)が参加している。
そこと合流すればトヨタの構想は一気に全国規模になり、LINEPay、PayPayを巻き込んでQRコード陣営全体の展開となるだろう。
一方で、楽天・Suica陣営の動きにも注目である。ポイントサービスが苦手だったSuicaを楽天がポイント面で助ける程度の計画であれば何の問題もないが、楽天とSuicaが協力して東日本でMaaSネットワークを作ろうとし始めたら、これは全面的対決になるだろう。
JRグループでも、JR東海はもちろんトヨタに付くから西軍だが、JR東日本とJR北海道が加わる楽天とSuica陣営は東軍ということになろうか。
東西に分かれての関ヶ原の戦いが勃発しそうであり、これはこれで心配である。