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扶養内で働く主婦は老後破綻に? 手取りが減っても、扶養を超えて働けば○年で元が取れる=川畑明美

扶養を超えて働いた方がいいのか、扶養内で働く方がいいのか。よく聞かれる質問ですが、将来を考えると、たとえ手取りが減っても扶養を外れた方がお得です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

6年で元が取れる?扶養内で働いても今の生活費の足しになるだけ

扶養を超えて働くと手取りが少ない

「扶養を超えて働いた方がいいのか?」、これは、ファイナンシャルプランナーの私がよくいただくお悩みです。

最近もこんなご質問をいただきました。

「ずっと扶養内の130時間以内で働いていましたが、一昨年から、扶養を外して、また厚生年金に加入して働いています。

正直、社会保険控除をされると、かなり手取りは低く、17万円くらいです。

厚生年金はかけていくのは率が低いと知人に言われ、それより個人年金でもっと貯めて行った方が将来的にいいと思うと言われました。

扶養に戻して、自分で年金やらを支払い、iDeCoもかけられる金額が多くなるので、そういう形の方が将来的に得なのでしょうか?」

女性の働き方、大事です。

まず、手取り17万円ということは、額面22万円くらいだと試算できます。

協会健保の場合は22万円の給料に対して、年金額は3万4,980円です。

この半分は会社が支払ってくれて、実際に支払うのは、1万7,490円程度だと思います。

受け取れる年金額は、「年収の12分の1 × 5.769 / 1000 × 加入期間」です。
(※マクロ経済スライドは考慮せず)

ですから、22万円 × 5.769 / 1000 × 12ヶ月 で、約1万5,230円です。

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手取りが減っても、6年間働けば元が取れる

年金は、これだけではありません。

厚生年金保険料には、国民年金の保険料も含まれています。

国民年金は、1年働くと約1万9,500円増えます。

つまり、1年間働くと、年金は

1万5,230円 + 1万9,500円 = 3万4,730円 増えます。

厚生年金の支払い額が 1万7,490円 × 12ヶ月 で、20万9,880円です。

元を取れる年数は、

20万9,880円 ÷ 3万4,730円 = 約6年 になります。
(※筆者注:概算なので正確ではありません)

概ね6年間働けば、元が取れてしまうのです。

扶養内で働くのは今の生活費の足しになるだけ

夫の扶養から外れて社会保険控除を引かれると、扶養内で働いた時よりも手取りが少なくなる場合もあります。

ですが、扶養内で働くということは、老後の保障よりも「今の生活費の足し」にしかなりません。

寿命の長い女性は、結婚していても、最後は「おひとり様」。

女性が老後破綻になってしまうのは、夫が亡くなった後が多いのです。

結論を言うと、扶養を外れて働く方が、将来のお金を増やせるということです。

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image by:siro46 / ShutterStock.com

教育貧困にならないために』(2020年1月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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