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三越伊勢丹の営業継続は正しかったのか?上層部の辞任求める署名活動に見る反発の大きさ

先週、東京都の小池百合子知事ら1都4県の知事が週末の不要不急の外出と移動自粛を要請すると、その日のうちに百貨店やショッピングモールなど商業施設の多くが28日、29日の「臨時休業」を発表した。

その一方で時間を短縮し「営業する」という判断をした三越伊勢丹、そごう・西武、小田急百貨店への批判が起きていたことは既報の通りだ(三越伊勢丹“百貨店は社会インフラ”として休業せず。「利益ファースト」と非難轟々)。

特に百貨店は“社会インフラ”であるとして営業継続を発表した三越伊勢丹に対しては、「危機感低すぎ、欲出し過ぎ」「従業員が可哀想すぎる」と非難する声が多くあがっていたが、感染のリスクに晒されながら出勤することになった従業員やその家族と見られる人からも「絶望」の声が投稿されていた。

このような批判的な意見が影響したのか否かは定かではないが、三越伊勢丹ホールディングスは4月中旬まで、首都圏6店舗における週末の営業を行わないことを決定。公式サイトやTwitterなどで発表した。

しかし、先週末に「営業する」という判断をしたことで、関係者からも反発が起きているのだろうか。「従業員」を名乗る人物が、「従業員の安全を考慮せず営業に至った三越伊勢丹上層部の辞任及び従業員全員への現金給付」を求めるキャンペーンを立ち上げる事態となっている。

キャンペーンを立ち上げた人物は、「従業員の中には妊婦の方、高齢の家族と同居される方、小さな子供のいる家庭を持つ方等様々です。従業員本人だけでなく家族の安全まで何故考えられなかったのか。また、そんな中来てしまうお客様の健康・安全も何故考えられなかったのか」と上層部への責任を求め、「この二日間に限らず、三越伊勢丹の従業員に対するウイルス対策はずさんで、従業員用の休憩室は常に人が密集しており濃厚接触の危険性もかなり高い」「従業員用のトイレットペーパーはお客様使用後のロールが減った物を使用させられ、アルコール除菌は一ヶ月以上補充されず、手を拭くペーパーもすぐに在庫が無くなり現在はトイレットペーパーで石鹸で洗った手を拭くか自前のハンカチを使用するしかありません」と従業員が置かれている状況を告発するような内容を投稿している。

この人物だけではない。「従業員」を名乗るその他の人からも、上層部の決定に「納得がいかない」とする声が投稿されている。

ニッポン放送に出演したジャーナリストの佐々木俊尚氏が、「緊急事態宣言は『いつ感染爆発するか』と『経済への影響』のギリギリところでの政治判断」という解説をしているが、三越伊勢丹の上層部も売上が落ち込む中で、苦渋の決断を迫られていたのかもしれない。

同社が1日に発表した売上速報(2020年3月)は、既存店の前年比60.2%という厳しい数字を示しているが、コロナ終息後に客足を取り戻すことはできるのだろうか。

Next: 「関係者のことは考えましたか?」三越伊勢丹上層部に辛辣な声



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※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
Source: ニッポン放送三越伊勢丹ホールディングス「売上速報(2020年3月)」
Image by: TK Kurikawa/ Shutterstock.com

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