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貯金できない人は○○を決めていない? 自分に適した貯金方法の見つけ方=牧野寿和

住宅購入や子どもの大学受験・入学費用など、人生には数回「まとまったお金」が必要になる時が来ます。そのための資金は準備できていますか? 今回は、その人ごとに適した貯金方法の基本をファイナンシャルプランナーとしてお答えします。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

人生には数回「まとまったお金」が必要になる時が来る

住宅を購入する時の頭金や子どもの大学入学費用、ご家庭によっては卒業するまでの教育費などなど、1度に高額なお金を支払う、いわば「まとまったお金」が必要になることが生涯のうちには何度かあります。

必要な時に必要な額だけ、まとまったお金を随時支払うことができるご家庭であれば、お金を貯めることは必要ないかもしれません。

ただし、このようなご家庭でも生涯の家計収支を考え、具体的には老後の生活費なども考慮する必要があります。また、予期しない急な支出のために、ある程度の現金はどんなご家庭でも手元に置いておくことは必須です。

そのために、普段からお金を貯めておくことが必要なのです。

しかし、お金の貯め方は、その人ごとに違います。むやみに貯めようとしても貯まらないこともあります。そこで今回は、その人に適したお金の貯め方をお伝えします。

目的を決めてお金を貯める

まずは「衝動買い」をしてしまう人のケースを考えましょう。

今まで目的もなく単にお金を貯めていたが、少々値段が張るものを家計の後先を考えないで買ってしまった……ということはありませんか?

衝動買いした理由を聞いてみると、その品物を買うと決めた時は瞬間的に、今までもお金を貯めることができたから、また貯めていけばよいと思ったと言う人がいます。

このような人は往々にして、お金を貯める必要性は自覚していても、お金を貯めて何に使うのかの「目的」と「目標金額」をしっかり決められていません。

冒頭でお話をしたように、例えば「住宅を購入する」ためにお金を貯めると決めたら、「頭金を○○万円作るために、これから〇年間、毎月〇万円ずつお金を貯める」と、貯める目的と貯める額を決めれば、衝動買いはしなくなり、目的のためにお金を貯めることができます。

確かに、お金の貯め方には様々な方法があります。

しかし、お金を貯める目的がなく単にお金を貯めていくだけでは、どんな方法でお金を貯めても、いつの間にか貯めたはずのお金が「また貯めればいい」と、知らず知らずのうちに浪費してしまい、どこかに行ってしまう危険もあるのです。

人それぞれ適したお金の貯め方がありますので、次に見ていくことにします。

Next: お金を貯める方法は多くの場合、金融商品を利用します。もっとも簡単な――



お金の貯め方

お金を貯める方法は多くの場合、金融商品を利用します。

もっとも簡単な方法は、目的に応じて必要な貯める金額を算出して、毎月貯める金額を決めます。そして、銀行のご自身の口座に「定期預貯金」として貯めていく方法です。

また、個人向け国債、株式や投資信託などの「金融商品」で運用する方法もあります。

金融商品の中には保険商品も含まれていて、個人年金や解約返戻金のある保険のほとんども、貯蓄に対応しています。

ただ、銀行での預貯金の選択は、ほとんど問題ありませんが、多くの金融商品は同じような内容の商品でも金融会社ごとに多くの商品が販売されているのが現状で、どの商品を購入したら良いのか、ある程度時間をかけて、ご自身で商品ごとの研究をすることも大切です。

また、専門家に相談することもひとつの手と言えます。

選ぶ商品は、その人によって違う

例えば、「これから5年間で、毎月5万円ずつ貯めて、住宅購入の頭金にする」と、決めたとしましょう。

いざお金を貯めようとした時、ある人はご自身の銀行口座に積み立てをしていくことにしました。また、投資信託を購入していく人もいるでしょうし、銀行の積み立てと投資信託を併用する人もいるでしょう。

このように、選ぶ商品は人によって違います。なぜなら、その人の収入や、毎月の家計からの支出(つまり家計収支)が当然に異なるためです。

また、その人の育った家庭環境による場合もあります。親が銀行で貯蓄をしていれば、それをみていた子も、その効果を理解することが容易です。親が株式投資をしていれば、元本が保証されていない金融商品を運用するメリット・デメリットも容易に理解できるでしょう。ただ、住宅購入の頭金を5年間貯めるといったような短期間の運用に、株式は利用しないかもしれません。

さらには、ご自身で投資信託などの運用を経験して、その結果、銀行に預貯金をする、投信信託で運用するなどと決める人もいるでしょう。

ただし、一般的に短期間の元本の保証されていない金融商品での運用は、より元本割れの危険が高く、運用する効果も限定的であり、私も慎重にならざるを得ません。

また、人によっては元本が保証されない商品には、抵抗感のある人もいます。

そのような人が人伝えに「最近、あの商品信託の商品は儲かるらしい」と聞いて意を決して購入してみても、元本割れはしないか、毎日、その投資信託の基準価格が心配になって、仕事が手につかないでしょう。そんな状況になることは言語道断です。

このような人は、性格的に元本が保証されない商品は肌に合わないと言えます。買わないほうがいでしょう。

なお、基準価格とは、株式の株価と同じではありませんが、投資信託の売買基準のひとつとなるのもです。

Next: 今回は、毎月、一定の金額を期間を決め貯めていく場合、その人に適した方――



まとまったお金が「手に入ったとき」も考え方は同じ

今回は、毎月、一定の金額を期間を決め貯めていく場合、その人に適した方法があるとお話をしました。

なお、定期預金が満期になった、遺産相続でまとまったお金が手元に入ったなどで、「まとまったお金」が入ってきた場合も考え方は同じです。そのまとまったお金を金融商品で運用しようするならば、その運用方法を決める場合も、今回、お伝えした方法が基本となります。

お金を貯めるときは、他人のやっていることは参考程度にして、ご自身に適した方法で実行しましょう!

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image by:ESB Professional / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2020年6月24日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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