日本のIT相は本当にIT化を推進する気があるのだろうか。コロナ禍でのリモートワーク中にも「書類にハンコを押すためだけに出社する」というケースが多々発生している。国民の間では日に日に「はんこ不要論」が広がっているように見えるが、それに反論したのはまさに日本のIT政策担当大臣・竹本直一氏が会長を務めていた「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)だ。
時事通信の報道によると、はんご議連がはんこ制度の継続を求める要望書を提出したという。記事ではその要望書の中身が紹介されているが、非常に理解に苦しむ内容となっている。
要望書は「記名と押印」が持つ法的効力は「署名」と同等とし、「紙による文書決裁、認証を得るためわざわざ出勤しなければならない」ことが本質だと指摘した。その上で「国民にとって有益な」はんこ制度の継続を要求。一方、印鑑登録などの行政手続きのオンライン化も求めた。
ネット上でもはんこ議連の主張に対する不満の声が相次ぎ、「自分達の権益のために全く国民の利益にならない時代に逆行したことを恥ずかしげもなく主張するはんこ議連」「こいつらのせいでハンコ押すために30分だけ出勤しないといけなくなった」など怒りを露わにする投稿も多く見られた。
冒頭で「日本のIT政策担当大臣・竹本直一氏が会長を務めていた『はんこ議連連盟』」と紹介したが、きょう午後1時頃に配信されたFNNの報道によって、竹本氏は5月に会長を辞任したことが明らかになっている。
竹本大臣が5月に「はんこ議連」の会長を辞任していたことがわかった。
竹本大臣は、「大臣としてデジタル化推進を第一に進めてきたが、変な誤解をされてはいけないと思ったため辞めた」とコメントしていて、後任は城内実元外務副大臣が務めている。
「はんこ議連」トップがIT相を務めることの問題点と疑惑については、マネーボイスでも過去数回に渡って取り上げている。
このタイミングで竹本氏のはんこ議連会長辞任が明らかになったところで、はんこ利権を守るために日本のIT化を阻害してきたという疑念や不信感が消えることはないだろう。
ところで、日本で生活にするにあたって「はんこ」は必要なのだろうか。今月19日に内閣府・法務省・経済産業省が連名で「押印」に関する法解釈を「押印についてのQ&A」という形で発表しており、それによると「契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない」としている。
問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。
・ 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。
・ 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。
出典:押印についてのQ&A – 内閣府・法務省・経済産業省(2020年6月19日配信)
政府見解とは異なる「はんこ制度の継続」の要望書を見るにつけ、はんこ業界の利権を守るためなのでは?との疑念はますます深まるばかりだ。はんこ議連の要望が「はんこ文化」を守るためであるならば、今は亡きナンシー関女史の消しゴム版画に多くの人が感銘を受けたように、別の形ではんこ文化を盛り上げる方法はないものだろうか。
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ツイッターの反応
国全体の効率を上げるためにビジネスの場からはハンコはなくしていくべきなのは明らか。自分達の権益のために全く国民の利益にならない時代に逆行したことを恥ずかしげもなく主張するはんこ議連は考えた方がいい。
はんこ制度継続を 自民議連:時事ドットコム https://t.co/bnwlNQLWsB
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) June 26, 2020
はんこ議連に「今ああいうメッセージを出すと国民から総ツッコミを受ける」という状況を判断できる人がいないのがもっとも残念なことなんじゃないか、という気がする。
— Munechika Nishida (@mnishi41) June 26, 2020
「いわれないバッシング」ではないですね。はんこのために出社必須なのは事実。
そして海外では随分前からリモートでサインが可能になっています。一方此方でははんこ議連の会長がIT担当大臣ではんこ制度の継続を訴える。
リモート促進どころかトップたる大臣が足を引っ張る。理解に苦しみます。 https://t.co/FD0WIuMwnJ— sanzenri (@sanzenri2) June 26, 2020
はんこ議連が言ってる、下記の内容。意味がわからないのは私だけではないはず。
「紙による文書決裁、認証を得るためわざわざ出勤しなければならない」ことが本質、「国民にとって有益な」はんこ制度の継続— ういAML (@shodai6625) June 25, 2020
僕が日本に期待しない理由は、とりあえず「IT担当大臣が、はんこ議連のトップ」だったりするからです。
こうなってくると、ITに企業が変わろうとしても、政府がそれを阻止する。ここで戦うのは不毛なので、それなら「個人単位で、最適に生きる方法」の模索がいい。僕は海外移住を選びました— マナブ@バンコク (@manabubannai) June 19, 2020
ワープロが普及しはじめて、苦境に立たされた和文タイプ業界の人が、「和文タイプはワープロより人間味がある」と謎のアピールしていたのを思い出した。
はんこ議連の寝言って同じレベルだよな
— 竹林孝浩 (@pooh_nina) June 26, 2020
日本の印章制度・文化を守る議員連盟(はんこ議連)
竹本 直一(会長)
武田 良太(副会長)
竹下 亘 (発起人)
城内実 (幹事長)
逢沢 一郎
石原 伸晃
太田房江
額賀福志郎
小此木八郎
松山政司
塩谷立うーーん、なるほど。
じゃ、落選で。— Jade. (@J_Kirisame) June 25, 2020
こいつらのせいでハンコ押すために30分だけ出勤しないといけなくなった。 いい加減滅んでほしい。 #はんこ制度 #はんこ議連 https://t.co/Xrd4YblKiq
— 投資家先輩 (@yajukabu) June 25, 2020
まだ抵抗しとるのか
・・・「自民はんこ議連が「国民に有益な」はんこ制度継続を要望 https://t.co/Qy3bV1ulYm— 清義明 (@masterlow) June 25, 2020
「自民党の「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)が、はんこ制度の継続を訴える動きを強めている」
イノベーションを阻害する、話にならん面々さ。
タバコ議連、ハンコ議連…たわけモンが!— 加治将一 (@kaji1948) June 25, 2020
どんな業界団体にも利権や政治家が絡んでいて、一筋縄ではいかないものですね
まぁ誰しも自分の生活・収入が脅かされるとなれば必死にもなります
ただ、これは違うでしょうが、日本には日本人以外の利権を優先する団体や政治家が多数紛れているのがタチが悪い#はんこ議連 https://t.co/qQpQI4UBW8— 中国共産党に対して新型コロナウイルスによる損害賠償請求を目指す会 (@demandfromchina) June 25, 2020
はんこ業界の人たちも大変だが、象牙利用を非難されたりしてる今のビジネスモデルは未来がないので、女子高生向けに「世界でひとつだけ、自分だけのマークが持てるよ!」「一番の親友と二人で1つの割印を作ろう!」みたいな方向に転換するとプリクラ的に大ヒットするのでは…https://t.co/zaQdTDvvAj
— CDB (@C4Dbeginner) June 25, 2020
自民党さんにはんこ議連ってのがあるんだけど、はんこ制度の継続を訴える動きを強めているみたい
正直最近は電子認証や、スマホや機械での指紋、声紋認証とかも普通だし、一部は残ってもとは思うけど、役所とかはもうデジタル化して効率的にやってほしいよね
いまだに何十枚も判子を押したり微妙だよね— くにたみいつき (@shohizei_itsuki) June 25, 2020
はんこマストなことによってかかるコストを全部はんこ議連に請求したいな💌
— 長田杏奈/おさ旦那 (@osadanna) June 26, 2020
はんこ議連の皆さん、職場から印鑑を消しても印章文化は残りますよ。書の世界で印は非常に重要な要素ですからね
つまりはんこ議連の皆さん、印章文化を守るためにもっと実情に即して、かつ日本の文化も振興できちゃう方法があるんですよ。そうです、書道の奨励です。皆さん書道国会議員連盟へようこそ— 住職 (@BB_Bonze) June 26, 2020
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