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幸福実現党 初代党首の仮想通貨に詐欺疑惑?7.5億円が上場で消滅=山岡俊介

「幸福実現党」初代党首の仮想通貨に“アリバイ上場”の疑いがある。「幸福の科学」の信者を中心にお金を集めたが使い込んでしまったため、上場して「価格が上がらなかった=自己責任」でチャラにしようという疑惑だ。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2020年10月19日号の一部抜粋です。今回記事の続編となる10月26日号「アッキーも営業に最大限利用」も配信されていますので、ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

「幸福の科学」での内紛、注目すべきは?

宗教法人「幸福の科学」を母体とする政治団体「幸福実現党」(幸福の科学の大川隆法氏が総裁を兼務)の初代党首(09年5月)だった饗庭(あえば)浩明氏(53)――党首就任はわずか2週間だけも、その後、広報本部長、調査局長、役員まで務めるも15年退任。

その饗庭氏のことが久々に話題に上ったのは今年4月。

『正論』(5月号)に「消えた9億円――仮想通貨扱う保守系団体で内紛」というタイトルのスキャンダル記事が載ったからだ。

饗庭氏は、幸福実現党を退任するや、即「JCU」(東京都港区)という一般社団法人を設立(15年2月)して活動している。

饗庭氏は幸福の科学在職中に渡米して、米共和党に影響力を持つ「全米保守連合」(ACU)など保守派と関係を構築。JCUはこうした保守派と人材・情報の交流を行い、両国の友好関係増進に寄与し、その活動の幅をアジア地区全体にも広げることを目的としている。

前掲『正論』記事は、その活動資金などのために饗庭氏は17年冬に仮想通貨(デジタル通貨)発行を決め、幸福の科学信者を中心に翌18年1月から入金が始まり、約2年間で約9億円を集めたものの、すでにその資金は使い切り、そのなかには使途が不透明な分もかなりあるようで、その“使い込み”を巡り代表理事の饗庭氏と幹部の間で内紛が起きているという内容だ。

その詳細は同記事をご覧いただきたいが、本紙が注目するのは、その仮想通貨「リバティー」の上場(=国内外の取引所で仮想通貨の取り扱いが開始されること)は予定よりかなり遅れ、『正論』記事も出た後、今年6月19日だったが、その上場先取引所は、約450億円も違法に集め事件化した、あの「テキシアジャパン」詐欺事件の関連仮想通貨「WFC」の上場先と同じという事実。

本紙に告発があり、取材の結果、確認した。

Next: 件の仮想通貨はアリバイ上場?トランプとのツーショット写真で信用獲得



リバティーも「アリバイ上場」か

なぜ、これに注目かというと、この取引所、どこの取引所でも扱われている「ビットコイン」(BTC)と「イーサリアム」(ETH)以外に扱っているのは、「WFC」と饗庭氏の「リバティー」以外にはないからだ。

これは何を意味するのか?

後述するように、これは饗庭氏の人脈とテキシアジャパンの怪しい人脈がクロスしていること、そしてWFC同様リバティーもまさに“アリバイ上場”以外の何者でもない疑惑が生じるからだ。

なお、饗庭氏とトランプ米大統領の冒頭のツーショット写真は、仮想通貨リバティーの資金集めのためのパンフレットに掲載されていたものだ。これだけ見れば、いかにも2人が会談したようにも思えるが、関係者はこう漏らす。

「米国大統領とのツーショット写真は、ACUの主催イベントのメインスポンサーになれば撮らせてくれます。そもそも饗庭は英会話が出来ないので2人で会談することは不可能です。ですがこのメインスポンサーになる方法でツーショット写真は容易く撮れた。全然関係ない(後述する)カンボジアの銀行買収を名目にした資金集めプレゼン資料にも同じツーショット写真を使っており、その手法は詐欺常習犯と同じといわざるを得ません」

詳細は本紙の過去記事(2019年1月7日号)をご覧いただきたいが、WFCの場合、先にテキシアジャパンで詐欺した債務があり、その借金を仮想通貨に乗り換えさせる(自己投資のかたち)ことで、後は上場さえすれば、「価格が上がらなかった=自己責任」で借金をチャラにできるという思惑で発行されたという経緯があった。

そのため、このWFCへの乗り換え、また発行に深く関与していた詐欺前科のある紙屋道雄氏(本紙のインタビュー記事あり)は第2弾の逮捕を恐れ、長く海外に出ていたほどだ(中国やシンガポールなどを転々としていた。ただし数日前に帰国の模様)。

交換所も借金をチャラにするために用意した?

このWFC、交換所ではネットで取引されることから、そのシステムの仕様変更に伴い名前を「WFCA」に替えている。

一方、饗庭氏が発行した仮想通貨「リバティー」は、同名の仮想通貨があったことなどから、この仮想通貨発行会社「リバティー・エコシステム」(シンガポール)の名前を略した「LES」名で上場されている。

シンガポールの交換所「DMW」のHPの取り扱い仮想通貨の並んだ画面をみると、「ビットコイン」(BTC)と「イーサリアム」(ETH)以外、WFCAとこのリバティー(LES)しか扱っていない。このように確かに4種類しか扱ってない。

そんな状況ゆえ、実はこのDMW、今年6月のリバティー上場前には、WFCの“アリバイ上場”のためだけに設けられたのではないかとの指摘もあったほどだ。

Next: リバティー(LES)にある疑惑。仮想通貨に詳しい人物が証言



リバティー(LES)にある疑惑

そして、実際、リバティーについても、同様の疑惑がある。饗庭氏を良く知り、また仮想通貨にも詳しい人物はこう証言する――

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・「幸福実現党」初代党首の仮想通貨上場先は、あの詐欺会社「テキシアジャパン」関連仮想通貨(WFC)と同じ

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image by:Siromegane at Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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