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河井夫妻「起訴」で高まる安倍事務所の関与疑惑、1.5億円の一部を秘書が持ち帰ったとの証言も=山岡俊介

東京地検特捜部は8日、河井克行・案里夫妻を公職選挙法違反(買収)の罪で起訴した。河井夫妻の逮捕時には安倍首相は「疑惑にしっかりと説明責任を果たしていく責任を負っている」と他人事のように語ったが、しっかり説明すれば自らも政治生命を失いかねない重大事件だ。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2020年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

いまだに他人事の安倍首相

ついに河井克行前法相・河井案里参議院議員夫婦が6月18日、東京地検特捜部に公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕されたのはご存じの通り。

2人は逮捕直前の17日に自民党に離党届を提出。16日にその意向を聞いた安倍首相は首相官邸で記者団に「国会議員は与党であろうと、野党であろうと、かけられた疑惑にしっかりと説明責任を果たしていく責任を負っている」と他人のように語ったが、よく言うよである。

河井夫婦が買収に問われているのは2019年7月の参議院選挙(広島選挙区。改選数2)においてだが、同選挙区からは以前から溝手顕正元防災担当相(元国家公安委員長。当選5回。岸田派)が出馬しており、19年の選挙でもすでに出馬表明、自民党広島県連も溝手氏を推すことを決めていた。

それにも拘わらず、わざわざ河井案里容疑者まで出馬させ自民党で2議席独占を狙ったのは、憲法改正を狙う安倍首相が「改憲勢力3分の2」維持のためにやったとの見方もあるが、実際にこの参議院選挙で「独占」出馬をやったのは広島選挙区だけであり、真相は、以前から安倍首相を批判していた溝手氏を安倍首相が嫌い、溝手氏に河井案里容疑者という“刺客”を放ち、その狙い通り落選させたというのが関係者の一致した見方だ。

買収目的でお金を渡したならば犯罪

しかし、広島県連はこの官邸側の私欲、ごり押しに抵抗した。

それを切り崩すにはカネの力が一番で、そのために自民党本部から相場の10倍もの1.5億円の選挙資金が河井夫婦側に出たと見られる。

だからこそ、すでに5月12日には、検事総長宛てに河井夫婦と共に、安倍首相も被告発人とする「告発状」が出されている。告発容疑は公選法違反(買収)の共謀。

前述のように、河井容疑者の出馬の真の目的な溝手氏落選のためで、そのために安倍首相は異例の高額の1.5億円を自民党本部から出させたからという内容。

河井夫婦逮捕報道を報じる「毎日」(6月19日)も、1.5億円を出したことがただちに違法とはならないが、「買収行為をさせる目的で現金などを提供すれば罪に問われるケースもある。特捜部は、どのような経緯で資金が夫婦側に支出されたかについても調べる」と報じている。

しかも、この19年の参議委選挙では、安倍首相の地元であるお隣・山口県下関市から地元の筆頭秘書・配川博之氏ら4人が案里容疑者の応援にかけつけ、案理氏の秘書らと一緒に地元の有力者を回っていたとの証言もある。

それどころか、本紙既報のように、1.5億円の一部を安倍事務所の秘書2人が持ち帰ったとの証言が、すでに広島地検が買収されたと見た多くの地元首長、議員らの事情聴取をした調書のなかに載せられているとの情報もある。

また、これら調書のなかには、同じく案里氏の選挙運動を手伝った創価学会側に2,000万円が使われた旨の供述も載っているとされる。そして、本紙既報後、「それは事実だと、私も聞いています。だから、お宅の記事を宣伝しています」とわざわざ話してくれたベテランンの永田町関係者もいた。

Next: 二階俊博自民党幹事長は疑惑の1.5億円につき「広報誌を複数回全県に配布――

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