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BTS所属事務所、時価総額1兆円からの大暴落。ファン買い支えは悪夢の始まり

韓国の人気アイドルグループ「BTS」の所属事務所が韓国市場に上場し、時価総額は一時1兆円を超えた。悪夢はここからだ。ストップ高に飛びついたファンたちの資産がものすごい勢いで溶けている。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

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※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2020年10月19日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

BTS所属事務所が上場、一時は「時価総額1兆円」へ

今回はいま話題沸騰中の韓国のアイドルグループ「BTS」を特集する。

とはいっても、当メルマガは韓国経済を扱っているので、BTS自身を取り上げることはあまりない。実績としては、アメリカのビルボードで1位になった、韓国で最も売れているアイドルグループといったところだ。

それでは何を特集するのか。先日、このBTSが所属する事務所「BigHitエンターテインメント」が新規上場した。公募価格は13万5,000ウォン。あのカカオゲームズよりも公募価格は高かった。

そして、上場開始後15分でストップ高となり、なんと35万ウォンまで上昇。時価総額は1兆1,167億円となった。

BTSファンは公募価格で買えるほど株に精通してるわけではないので、当然、ストップ高になった株に飛びついた。開始15分ということは最初から板は張り付いていたと思われる。

その快挙に日本のテレビ局はまるで自国のアイドルグループのように扱いで特集する。

確かに時価総額1兆円はすごいのだ。何しろ日本企業の「TBS」ですら時価総額3,000億円ほどだ。BTSしか目玉がいない「Bighitエンターテインメント」が、日本のテレビ局の株価の時価総額を遙かに上回ったのだ。

だから、18日放送のTBS「サンデージャポン」でも取り上げられた。まずはそれを引用しよう。

18日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」(日曜午前9時54分)で、韓国の男性7人組ヒップホップグループ、BTS(防弾少年団)の所属事務所「ビッグヒットエンターテインメント」が、韓国取引所に株式を上場した話題について扱った。05年設立の同社は、15日に、日本では東証1部に該当する同取引所に上場。現地メディアでは、時価総額が一時、11兆8800億ウォン(約1兆1167億円)に達したとも伝えられた。

出典:杉村太蔵、BTS所属会社の時価1兆超えにビックリ – 芸能 : 日刊スポーツ(2020年10月19日配信)

確かに時価総額は1兆円1,167億円となり、ものすごい評価となったわけだが、ここからが悪夢の始まりである。

Next: 飛びついたファンたちが大損? 悪夢の暴落チャート



2日間で4,000億ウォンが消失

このとき、何が起きたのか。なんとソウル・江南エリアの大手証券会社のプライベートバンカー(PB)たちは、1日中忙しそうに大口顧客らに電話をかけて売買シグナルを送っていたようだ。

つまり、ストップ高をつけた後、大口顧客を扱うPBは一斉に売りのサインを送ったのだ。そして、ストップ高となった後、一斉に売られていく。

この日、35万ウォンまで上昇した株価はその後は投げ売りが続き、最後は25万8,000ウォンまで下がって取引を終えた。

前述の通り、公募価格で買えなかったBTSファンは15分でストップ高となった株を見て、歓喜に沸いたことだろう。我先にとストップ高の株を購入しようとした。そして、それはみるみるうちに暴落していく。

しかし、悪夢はまだ続く。

16日、25万8,000ウォンだった株はさらに▲19.77%ほど下がり、20万7,000ウォンまで下がった。つまり、35万ウォンで買ったBTSのファンは、20万7,000ウォンになったので、14万3,000ウォンほどの損失を出したことになる。

他にも上がると期待していた個人投資家もあり、なんと2日間で4,000億ウォンが消えたようだ。

買い支えを決意するファンたち

しかも、株は自己責任なのに素人も多いようで、払い戻しとか、青瓦台に返金請願しなければならないとか、損してとんでもない意見まで飛び出している。

さらには50歳のBTSファンが、娘の養育費や結婚資金として貯めていた全額(2億ウォン)をBigHitの株購入に費やしたそうで、離婚届を出されるなど家庭崩壊まで発生しているようだ。

だが、一部のアーミー(BTSファンの名称)たちは、「無知なマスコミに惑わされず株をもっと買う」「株価が落ちても心地いい」という、ファンにしかわからない心理で買い支えを決意している。

しかし、株が落ちるのはこれからなのだ。なぜなら、BTSメンバーのうちの1人が兵役に就くので、活動ができなくなる。しかも、BTS以外に稼ぎ頭がなくて、この先、投資する将来性そのものがない。カカオゲームズのほうがまだマシといったところだ

Next: 下がってもまだ公募価格より上。悪夢は続いている



悪夢は続いている

さらに述べれば、まだ公募価格だ。公募で購入した大口顧客は逃げているが、それ以外はまだ購入している。だが、13万5,000ウォンという公募価格そのものが割高という意見がある。

私は少なくとも、今月末には10万ウォン以下に下がるとみている。つまり、悪夢は継続である。

だが、なぜか日本のメディアは時価総額1兆円超えは取り上げても、その後の顛末には触れたがらない。明らかに「その後」の方がおもしろいネタなのに。

アーミーの買い支えで株価は上昇するのか。それとも再び投げ売りされてストップ安となるのか。まさに目が離せない展開であろう。

私には理解できないが、BTSファンにとっては「株」もコレクターグッズという考えがあるらしい。1ウォンにまで下がっても、持ってるだけで良いのだとか。

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2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』(2020年10月19日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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