保険証や運転免許証などとの一体化が予定されている「マイナンバーカード」。これに、なぜか小中学生の学校の成績までひも付けされる計画が検討されていると判明し、多くの批判の声があがっている。
報道によると、ひも付けが検討されているのは小中学生の学習履歴や試験の成績。そもそも文科省は、教育データの利活用を進めており、児童・生徒の個人の学習意欲の変化や理解度をデータとして記録することで、1人ひとりに合った効果的な学びを実現可能になると謳っている。
今回浮上した個人の学習データのマイナンバーカードへのひも付けは、その一環ということだが、政府としては2023年度以降の実現を目指しているという。
「まず政治家の不祥事をひも付けしろ」の声
今回、唐突に浮上した感のあるマイナンバーカードへの小中学生の学校成績のひも付け計画に対し、ネット上では「誰か、このバカを止めろ!」「生徒の生活はとてつもなく窮屈なものになる」といった反対の声が渦巻いている。
″ 政府は、小中学生の学習履歴や試験の成績を、マイナンバーカードにひも付け、オンラインで管理する仕組み作りに着手″ おい、誰かこのバカを止めろ!→
マイナカードに学校の「成績」 対象小中学生 2023年度にも https://t.co/9o8HthBGYh— ダースレイダー (@DARTHREIDER) December 16, 2020
マイナカードに成績紐付けの話は危険すぎるだろう。だいたい、教員がつけた内申書が、一生マイナンバーから検索できるとしたら、生徒の生活はとてつもなく窮屈なものになる。まさに一生を支配されるのだ。
— yhkondo (@yhkondo) December 16, 2020
また、「そんなものよりも先に、ひも付けをすべきものがあるだろう」といった声も。ネット上の意見で特に目立ったのは、「既往歴」や「お薬手帳」といった医療関連の情報で、これは確かにすでにひも付けが予定されている保険証とも親和性も高く、例えば本人が意識疎通ができない状態かつ一人で病院に運び込まれた際などに、とても有益な情報となりそうである。また、結婚や引っ越し時に住所変更等の手続きが一括で済むようにして欲しいなど、マイナンバーカード自体の利便性向上により力を注いで欲しいといった意見も見られた。
マイナンバーカードに成績…?意味わからんわ
先に既往歴とお薬手帳にしてくれ— マーサン@0y3m育休中 (@BgxIk) December 17, 2020
マイナンバーカードに学校の成績を記録するより先に、口座と免許と住民票及び公共料金もろもろの紐づけして引っ越しの時に住所変更の手続きが一括で済むようにして欲しいんご
— 高村ともる (@tomoru10) December 16, 2020
いっぽうで、そもそもマイナンバーが活用できる分野は「社会保障」「税」「災害対策」の3分野に限られるはずだという意見も。
教員が生徒の個人情報と成績が入った書類やUSBを無くして処分された件数を先に確認して欲しい
そもそもマイナンバー法でマイナンバーは税・社会保障・災害対策の3つに関わる業務にしか使用できないはずですhttps://t.co/jWKGGw3uN7— どっこいしょ (@hgaNajPzxAKjBXo) December 16, 2020
内閣府のサイトにある「マイナンバー制度について」というページを見てみると、そのなかには確かに「マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の3分野で、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されます」との記載が。今回ひも付けが検討されている「学校の成績」は、どう考えてもそれらの分野外である。
そして今回の計画に対する批判の声は、それを推進しようとする政府、ひいては案を出した自民党議員に対しても向けられる結果に。「過去の不祥事をひも付けしろ」「過去の失言・暴言・妄言・謎答弁・スキャンダル歴を細大漏らさず記録しろ」といった、厳しい意見も飛び出す事態となっている。
「マイナンバーカードと小・中学校の成績との紐付け」だと?ふざけるなよ。
市民にとっては「与党議員と不祥事との紐付け」こそが必要だろうが— 法學院狂魔 (@Adepteater029) December 17, 2020
マイナンバーカードに小中学校からの成績を記録するという謎の自民党案。では、誤解しやすい国民が誤解しないように、まずは自民党員全員が自分のカードに、小中学校からの成績のほか、過去の失言・暴言・妄言・謎答弁・スキャンダル歴を細大漏らさず記録してみてはどうか(無論、黒塗りは一切なしで) pic.twitter.com/Z12by7XRfC
— イルコモンズ (@illcommonz) December 16, 2020
ネット上で取沙汰される黒幕企業とは?
このように、その意図がどうにも図りかねるマイナンバーカードへの学校成績のひも付け計画だが、ネット上でまことしやかに噂されているのが「ベネッセ」の影だ。
クンクン… なんだか酷いベネッセのにおいがするぞ…!?!?
マイナンバーカードに小中学生の「成績」反映を検討 2023年度にも #ldnews https://t.co/iTLgZz4mnb
— レ点 (@m0370) December 16, 2020
ベネッセといえば、大学入試センター試験に替わって今年度から実施される「大学入学共通テスト」における記述式問題の採点業務を落札するも、後にその受注をウリに高校関係者向けに自社サービスの営業をかけていたことが判明し、批判の声が殺到したことが。さらに、今年度からの大学入試改革のひとつとされるも、今年8月に導入見送りが決まった「Japan e-Portfolio」の運用に関しても絡んでいるとされるなど、文部科学省とベネッセとの蜜月ぶりはここ数年で頻繁に指摘されている。
そのこともあってか、ネット上では「マイナンバーカードにひも付けされた学校成績の情報が、ベネッセに流れるのではないか」と危惧する声、さらに「Japan e-Portfolioでやろうとしたことをマイナンバーでやろうとしている」といった意見も飛び出すなど、今回の件もベネッセが関わっているのではという見方をする向きもある。
多くの批判の声と様々な憶測が飛び交う事態となっている今回の件。2023年度以降の実現を目指しているとのことで、今後の計画の推移をしっかりと注視していきたいところである。
Next: 「もしも大学の成績まで残されたら…」
ツイッターの反応
マイナンバーカードに成績を記録する必要などあり得ない。指導要録だって学籍に関する記録は20年、成績に関わる指導に関する記録は5年しか保存しないことになっている。学校の成績が生涯に渡って第三者に参照可能な状態で記録されるなどとんでもない話だ。どこからこんな話が出てくるのだろうか。
— 中嶋 哲史 (@J_J_Kant) December 16, 2020
小中学生の成績をマイナンバーカードに紐付けして一生纒わり付くようにする恐ろしいシステムで誰が得をするかと言えば、下村博文氏ら自民党文教族に献金し、直近では大学共通入試民営化に代表される教育制度改悪を促している教育資本だろう。子どもから食い物にしようなど言語道断だ。
— 異邦人 (@Narodovlastiye) December 16, 2020
マイナンバーと学者成績の紐付けな。どこにいても平等な教育が受けられる未来が来るんだろうね。同級生ガチャでいじめに遭ったり、教師ガチャでポンコツ引いたりで、ベネッセや東進がオンライン化した方が明かに良い場合も多かろうさ。生徒が集まらない先生なんかも出てくるだろうね。良い事だよ。
— tokyo2020tokyo (@tokyo2020tokyo) December 17, 2020
これだけ中抜き利権政府が、マイナンバーに成績を紐付けしようとしているということは、そこにも旨い利権があるんでしょうね。
ベネッセとか。
あんな政府に大事なプライバシーを預けるのはまっぴらごめんだわ。#マイナンバーへの成績紐付けに反対です— ゆいまる (@05050721KTD) December 17, 2020
絶対反対。自分たちの政策決定過程は「黒塗り」、発言は「匿名」なのに、子どもたちの情報を把握し、利用する。馬鹿げてる→「政府は2023年度を目処に「小中学生の学習履歴や試験の成績」をマイナンバーカードにひもづけし、オンライン化で管理する方針」https://t.co/EoaByT0cJ9
— 三浦英之 新刊「白い土地」発売 (@miura_hideyuki) December 17, 2020
あれれ〜? おっかしいぞ〜!? 今年、高校までの学習履歴を記録するJAPAN e-PortfioがベネッセIDを利用することが問題視されて導入見送りになったんだよね? ところで、今度はマイナンバーカードに小中学校の成績や学習履歴を紐付けるって言ってるんだよね?
— 眼鏡パンダ (@sacreconomie) December 17, 2020
マイナンバーカードの成績
小中学生→ベネッセが利用
高校、大学生→リクルートが利用
残り→パソナが利用凄えな。鯨並みに無駄がない。
— Michael A. (@nasitaro) December 16, 2020
大学の成績まで残されたら俺とか浪人と留年まで記録されてマイナンバーカードが汚れちゃうじゃあないか…
マイナカードに学校の「成績」 対象小中学生 2023年度にも | FNNプライムオンライン https://t.co/WQlB9o12kG
— コスケェ@水耕栽培 (@mutachi69) December 16, 2020
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