オペラに興味はあっても歌詞がわからないから楽しめない、なんて経験ありませんか?でも、そんなことないんです。語学の知識がなくてもオペラを楽しめる方法を無料メルマガ『0からのオペラつーしん!』で紹介しています。
イタリア語が分からなくてもオペラを楽しむ方法
Di quell’amor ch’e palipito
Dell’univerzo intero
Misterioso,altero
Croce e delizia al cor.
上記の詩はオペラ「椿姫」のある二重唱の歌詞の一部です。オペラはその多くがイタリア語、次いでフランス語、ドイツ語などの、英語より馴染みの薄い外国語の歌詞で歌われます。
オペラも歌が非常に多いので、歌詞の意味を理解して聞けると感動や楽しさもより一層増します。ですがイタリア語を勉強したり、毎回歌詞対訳を見るのはちょっと大変。そこで今回は、語学を勉強しない気楽なオペラの楽しみ方のお話です。これは私が様々な言語のオペラを聞く時に行っているやり方です。
この方法で一番大事なのは、その曲の大まかな流れを知ることです。歌ってる男性が告白して、女性がそれにYes,Noどっちで応えるか、この女性は叶わぬ恋に嘆き、最後は死を選ぶ、などなど
このように簡単な流れを知ることに加えて、Amore(アモーレ-愛)、T’amo(ターモ-愛してる)、Morte(モルテ-死)、などの超頻出単語を知ってると、さらに良いです。
正直なところ、これだけでアリア(独唱曲)の楽しみ方が変わってくると思います。
なぜかというと、これはそもそもオペラの音楽の作りに関係してきます。オペラに触れたことのある方、ない方でも、オペラって、迫力のあるイメージがありませんか? これって実はかなり的を得ているイメージで、迫力あるシーンがないオペラは少ないんですね。
この迫力は劇中の登場人物の「感情が爆発したシーン」によく出てきます。例えば、ずっと大好きだった相手に告白して、OKをもらえたら飛び上がりたいくらい嬉しいですよね。それをオペラでは高い音で「 Oh Amore !」なんて歌っちゃいます。
逆に自らの両親を殺した犯人に復讐を誓う時は、迫力ある声で「Morte !!」なんて歌います。メロディーもオーケストラも迫力ある作りになることがほとんど。
このようにオペラでは、その時の感情、音楽、歌詞が全てリンクする場合が多いです。
これらがリンクしたものを聞いた時の感動は、恐らく皆さんもJPOPなどの音楽で感じた事があるんじゃないでしょうか。切ない歌詞に、切ないメロディーが合わさるとキュンときちゃいますよね。その感動体験を極限まで求めたもの、それがオペラの迫力の正体なのです。
さて話を戻して、オペラではシーンごとに感情や音楽、歌詞がリンクしています。つまり、どれか1つから歌っている内容を少し分かるようになると、このメロディーがどんな感情を意味しているか、などが推測出来るようになってきます。これだけでも、曲の聞こえ方が変わってきますよ。
最初の「椿姫」の二重唱の歌詞も、あれはアルフレードという男性が、ヴィオレッタという女性へ告白している文章ですが、4行に合わせて意訳すると
この震えるほどの愛
それは全宇宙の鼓動
神秘的で、偉大なもの
心に苦しみと喜びをもたらすもの
という具合の文章になります。これを実際に言われて、女性が喜ぶかどうかはともかく、流石にこれの意味を理解してから聞くってのはちょっと大変ですね。
そこで
「このシーンは告白するシーンで、愛の言葉を並べてる」
「それに対して女性は最初は素っ気ないが、次第に……」
といった具合で曲の流れをなんとなく把握しておけば、対訳を見なくても、オペラをさらに楽しんで聞くことが出来ます。
もちろん、結局は曲の対訳などを1回は見ることになるのですが、なんとなく、これは恋の歌!これは復讐の歌!だけでも把握していると、曲への共感度が一気に増すと思います。
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