麻布十番の「なにわや」といえば、東京ベスト3に入ると言われるタイ焼き屋が有名ですが、そこではありません。二の橋を入った麻布十番のはずれの仙台坂を登るところにある珍しい独立系スーパーで、この店は創業明治23年(1905年)という歴史を持つ一店です。
なんでも目利きの社長自ら東京食肉卸市場で、その時々の良い肉を仕入れて自家製ローストビーフを毎日上階で作っているそうで、この焼き加減が抜群! 味付けは、塩とコショウだけで十分に美味しく、さらに、同じコーナーで販売されているソースをつけて食べるのも最高だと思います。
そのローストビーフが店頭に並ぶ時間は、毎日決まって14時半から15時。最近は、数日に一度その時間にわざわざ麻布十番に行って、「なにわや」のローストビーフを爆買いしています。ちなみにこの店は、クレジットカードもPASMOも使えません。
いったいこの半月で、何キロのローストビーフ(もも)を買ったでしょうか。
気がつくとチェーン店か、過度に評価される老舗ばかりになってしまった東京の飲食業界は、時には過度な宣伝もなく非効率的であることが、実は味と品質につながる時代になりつつあるように見えます。
近年、オーガニックや無農薬などの言葉が一人歩きしますが、大切なことはどこまでも「経営者の考え方」にあり、商品ではありません。まさか、ローストビーフ売り場に突っ立ってるオッサンが社長とは!? 僕が尋ねた美味しい部位をよくご存知のはず。いやいや大変失礼しました。
僕の今年の秋の味覚は、東京ローストビーフ三昧。今週も楽しみます!
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『高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋
著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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