【マンションの深イイ話】とある理事長の心に染みる交渉テクニック

 

理事長は言います。

うちのような規模が小さくて、ほとんどの人があまり積極的に管理組合運営に関わりたくないと思っているマンションは、管理会社に大事にしてもらって、任せておけるのが一番なんだよ。

大事にしてもらうためには、ある程度管理会社に儲けさせることも必要なんだよ。

管理会社に緊張感持ってもらうために、そうは言わないけど(笑)、たまたま巡り合わせで、修繕積立金の値上げなんていうタイミングで理事長になったからやるべきことはやったけど、自分もこのまま理事長を続けるなんて思わないから、輪番制の理事でもなんとかやっていけるというのが一番いいんだよ。

一度お灸をすえたから、管理会社もしばらくは大丈夫だと思うよ。

住民が管理会社に不信感を持つようなことは管理組合運営上もよくないんだよ。

管理会社の注意を住民が聞かなくなったら管理組合が大変だ。

住民は、うちはいい管理会社でよかったと思っていた方がいいんだよ。その方が住み心地がいいに決まっている。だから、管理会社からの提案ということにしたんだよ。

1年きりの理事長なんて目立っちゃいけないんだ。

ただ、これからは、総会にはできるだけ出て、ちゃんと見てるからね~と管理会社に無言のクギ刺しはしなくちゃと思ってるんだよ(笑)。

いいでしょう。この理事長。人間としての格が違うと思いました。

たまたま機会があって聞くことができた話だけど「自分が、自分が」と言わない人の話はなかなか聞こえてきません。でも、目立たず、いいお仕事をしている方は結構いるでしょうね。

住民が管理会社に信頼感を持っていた方がいい…ってところは、本当だと思います。何かと管理会社を責めることで存在感を示すというパターンの管理組合に、ちょっと考えてみてほしいな。

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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