奇妙なプーチンとの「相思相愛」。米大統領候補が互いをほめあう魂胆

 

プーチンは、「親ロ」なら誰でも歓迎

まず、ロシアから。

プーチンは、今「絶好調」といえます。まず、「クリミア併合」から起こった「ウクライナ問題」。欧米も世界も今や、ウクライナのことを、ほとんど思い出しません。哀れなウクライナ。欧米から見捨てられ、ロシアへの借金が返済できず、デフォルト状態になっています。

次に、「イスラム国」(IS)退治のためのシリア空爆。日本人にはちょっと想像しがたいことですが、ロシア国民は圧倒的にこれを支持しています。その結果、「支持率90%」という、驚きの数字になっている。

しかし、安泰に思えるプーチン政権にも、大きな悩みがあります。それが「経済」。ロシア経済は今、「トリプルパンチ」に襲われています。

  1. 欧米+日本による経済制裁
  2. ルーブル大暴落(クリミア併合前は1ドル35ルーブルだったが、今は70ルーブルまで下落)
  3. 原油価格大暴落(バレル120ドルが現在では3分の1以下まで大暴落)

ロシア、GDP 2015年は、マイナス4%程度になる予測。

そして問題は、「原油価格低迷は、シェール革命による供給過剰が原因である」こと。つまり、「長期化しそう」である。資源依存国家ロシアは今、「どうすれば不況から脱却できるか?」わからず、「明るい未来が描けない」状態なのです。

このような不景気が長期間つづけば、さすがのプーチン政権も不安定になる可能性が出てくる。

では、どうするか? とりあえず、ロシアの望みは、「制裁解除してもらうこと」でしょう。そうすれば、欧米+日本の金融機関から資金を調達できるようになる。欧州まで、(ウクライナを経由しない)新たなガスパイプラインを建設できるようになるかもしれない。日本まで、「ガスパイプライン」をつくってもいいですね。いずれにしても、「制裁解除」は、いろいろな可能性をロシアにもたらす。

では、誰が「制裁解除」を邪魔しているのか? プーチン好きの安倍総理や、ロシアへの石油・ガス依存度が高い欧州ではありません。ロシアを制裁してもほとんど経済的打撃を受けないアメリカです。だから、アメリカ大統領を説得しなければ、制裁は解除されない。

しかし、アメリカ大統領候補は、1人を除いてみんな「反ロシア」である。唯一トランプだけは、「親プーチン」を公言している。だから、プーチンがトランプに期待するのは当然なのです。

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