東條英機のひ孫に「儲け話」や「末裔」名乗り近づく、実に怪しい人々

2016.01.04
by まぐまぐ編集部
 

実はこのロジックは普通のビジネスにも言えることで、一時、中国市場への進出ブームが起こった時、まことしやかに言われていた禁断フレーズがあった。それが、「○○のナンバー2、または親戚が協力をしてくれる」というもので、中国進出への足掛かりとして、こうしたコネクションに期待される方は往々にして失敗に終わることが多い

何故なら、物を売るのはそのコネクターではないからだ。結局、同じようなトリックで期待だけで終わるケースを私も何度も見ている。まぁ、期待してしまうのも分からなくはないが、実際そんなもんである。

同じような話は中国以外にも聞くことはある。むかし、あるアフリカの小国で、金鉱脈の採掘権の話を聞かされたことがあったが、この時も現地の大統領とのツーショット写真を見せられた。

まぁ、実際、当該国があまりに無名過ぎて、いきなり言われても、その大統領と思しき人物が本物かどうかの確証すら得ることはできなかったが(笑)、これも話の内容に信用を添えるための方策である。

無論、その真偽は分からないが、少なくとも、話を正せば、当該国は日本と国交すらないようで、そんな不確実な条件で莫大な権益の話を主張されても、「左様ですか」となるわけがない(笑)。少なくとも今までこうした権益的な話をほうぼうから耳にしたことはあったが、実際、そのおかげで巨万の富を得たなどという話は一向に聞いたことがない。

現実はやはりそれなりにシビアということなのか、そもそも詐欺的な意味合いが込められていたのか、その真相は分からないが、少なくともそんな簡単にいい話というものはない!ということだけは改めて指摘しておきたい。

又、中には、こうした権威を他者から用いるのではなく、自らがまとってしまうというケースもある。それが「○○の末裔」といった類の方たちだ。まぁ、これに関しても私も同じカテゴリーに含まれてしまうので、言っている自分も恥ずかしい気になるのだが(笑)、ここでいうグレーな方々は、得てしてその系譜が判然としないパターンが多い。

私の場合、幸いにして直系本家筋となるため、簡単に説明できるのだが、この手の方々はそのあたりの関係性が少々複雑で不透明な部分も多い。以前、武田信玄の末裔を自称するキャバ嬢が関係筋から否定されて炎上騒ぎになったことがあるが大概このパターンである。

ちなみに、私が今まで聞いて、「まさか?」ともはや笑う他なかったというのが、「スサノオの直系の末裔」と呼ばれる方で(笑)、「東條さん、お会いしてみる?」と聞かれたことがあった。

これが本当であれば、国家の一大事にも通ずるものだが、丁重にお断りしたのは言うまでもない(笑)。もちろん、中にはきちんとそうした末裔を名乗る方々がいるのも事実。有名なところでは、華族会館を前身とした霞会館は知る人の中ではとみに有名な場所だ。

こちらでは、いわゆる旧華族の末裔たちが名を連ね、皇族出身者や前田家・松平家・岩倉家といった伯爵家・侯爵家の出身者が多勢を占める。

今でもこうした場所で親交を育んでおられるようで、かつては本家筋長男筆頭のみが在籍を許されたと聞く。

今では、時代の変化と共にその制限もかなり緩和されたようで、二人以上の推薦があれば一定の審査は必要であっても、男女問わず入会出来るという。以前、私も入会を勧められたことがあったが、分不相応にて返答は濁したままで終わった。

image by: Shutterstock

 

『東條英利の「日本の見方」』より一部抜粋

著者/東條英利
いわゆるA級戦犯とされる東條英機は私の曽祖父でありますが、その直系の長男のみが、この「英」の字を継いでおります。私もその継承者として、時にはこの名を疎ましく思ったこともありましたが、戦後70年を迎える今こそ、この名前がもたらした様々な事実や経験、考えを語ってみたいと思っております。
≪無料サンプルはこちら≫

print
いま読まれてます

  • 東條英機のひ孫に「儲け話」や「末裔」名乗り近づく、実に怪しい人々
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け