何かと話題になっているグーグルの自動運転車。先日、テスト運転の場所にワシントン州の小さな街が選ばれたばかりですが、早くも次の候補として海外の都市も浮上しています。場所は最も忙しい世界都市の1つにあたる、ロンドンです。
グーグル自動運転車が第3の都市でテスト試乗
テキサス州のオースティン、カリフォルニア州のマウンテンビューに続き、グーグルが自動運転車のテスト運転の場所として選んだ第3の都市がワシントン州のカークランド。
人口8万人ほどの小さな都市です。
米The Vergeによると、この都市こそがまさに「理想の場所」だそうで、その理由には「湿気と雨が降る控えめな気候がテスト運転向き」とのことです。
また色々な角度と高さからセンサーのテストができるような丘が街にはたくさんあることも好都合。
グーグルはすでに改善するためのセンターを街中に設置しています。
グーグルの自動運転車の1つ「レクサスRX450h SUV」が北部をクルージング済みで、その運転をもとにエリアの詳細な地図を作成しているそうです。
グーグルがこの街にやってきたことで注目を浴び、カークランド市長も嬉しそう。
「事故の確率を下げ、運転が容易にできない人のために移動手段を提供する、この自動運転車について、私たちはとても期待をしています」とのこと。現在のところ、22のレクサスSUVと33のプロトタイプ車が3カ所を巡って走行中です。
ロンドンがグーグル自動運転のテスト運転を希望
このように、これまでグーグルは米国内3都市でテスト運転を実施していたのですが、初めて海外でもおこなわれようとしています。
英ガーディアンは「ロンドンがグーグル自動運転車の運転席に加わろうとしている」と報じました。
市の運輸省長官はロンドン市内でのテスト運転について、積極的な議論をグーグルとおこなったことを発表。
記事によると、現状ではグーグルは米国内のみに集中していますが、もしこれが実現したら、グーグルとしては初の海外でのテスト運転の地がロンドンとなりそうです。
長官のディドリング氏は「グーグルが海外でのテスト運転に準備万端になったとき、私たちはそれがロンドンで実現することを期待しています」と意気込みを話しました。
ロンドンがここまで意気込む理由の1つにトンネルの設計があります。
今ロンドンでは、渋滞を回避するために市内をまたがる2つのトンネル設計計画をたてています。
「自動運転車の利点の1つは従来よりも小さなトンネルの設計で済むということです。これまでのような安全面の必要要件を満たさなくてもいいのです」
また英国政府は8つの自動運転プロジェクトに対して2000万ポンドの投資することを発表しました。
このニュースを知って、イギリス市民からは様々な反応があります。
「こうなったら、運転手の保険についてはどうなるのかな。もし交通事故がおきたら、保険は車の所有者か、プログラマーか、それとも車の製造元が支払うの?」
「もし自分で運転することが私の自由の解釈だとしたら?」
「自動運転車のコンセプトについて苦しんでいます。バス、電車、タクシーだってあるのに。テレポーテーションの役目を果たすわけでもないし」
「私たちがもっとたくさんのタクシーを求めていると間違って解釈したのかな?」
「ロンドンはテスト運転に最悪な場所だよ! 世界でも忙しい街の1つは、すでに悪夢のような渋滞があるのに。このカオスな状態に自動運転車をいれるなんてね」
政府の思惑とは裏腹に、伝統を重んじるイギリスでは最新テクノロジーの自動運転車にはまだまだ懐疑的なようです。
グーグルのテスト運転でエラーが272回もあったことは前回の記事でも書きましたが、交通事故や交通渋滞を減らし、車での移動が簡単になるなどメリットもたくさんあります。
イギリス政府は自動運転車の受け入れを切望していますが、日本はどうでしょうか?
運転で事故をおこしやすい高齢者や、過疎化が進む街で移動手段が必要な人のためにうまく取り入れていくこともできそうな気がします。
文/MAG2 NEWS 編集部