極端な例を挙げれば、ブロードウェイ・ミュージカルだって、もとはニッチ対象だったものが、発展して今の状況になったと言えるだろう。
というか、現在でも、ニューヨークに住んでいる人々のみんながみんなブロードウェイ・ミュージカルをそんなに頻繁に観にいってるわけじゃない。
そもそも一人100ドルくらいするチケットを、みんながみんな買えるわけがない。
それこそ、世界中から観客が集まるようになった今ですら、ごくごく一部のニッチ狙いだ。
それでビジネスが成り立っている。
成り立っているどころか、それで史上最高の売上げや集客数をたたき出している。
でも、別に今さら、ブロードウェイ・ミュージカルがブームだとか、流行だっていうような話にはならない。
なぜなら、エンターテイメントのひとつのジャンルとして定着したからだ。
〔ご参考〕
●謙さんも貢献!! 2014-15年期のブロードウェイ・ミュージカルの売上、集客数が史上最高記録を更新!!!
ニューヨークのラーメン…、厳密に言えば、日本式ラーメンもそれと同じような感じの発展の道を進んでいる。
もともとニューヨークには、チャイナタウンを中心に、ヌードル・スープという、日本のうどんに近いタイプの麺類はあったが、日本式ラーメンのように、細くてコシのある麺を使って、時間や手間をたっぷりかけたこだわりの特製スープを出すような麺類は存在しなかった。
そのため、ニューヨークでは、以前からあったチャイナタウンのヌードル・スープとは別の新しい食べ物として、日本式ラーメンは、ひとつのジャンルとして定着することになった。
もちろん、最初はニッチ狙い、そして現在もよくよく考えてみれば、ニッチ狙い。
ニューヨークに住んでいる人々のみんながみんな日本式ラーメンをそんなに頻繁に食べにいってるわけじゃない。
ちなみに、そのさきがけとなったのが、今からもう10年以上前の2004年にオープンした「モモフク・ヌードル・バー」(Momofuku Noodle Bar)。
その後、世界的な日本式ラーメン人気の火付け役と評されるようになる名店である。
〔ご参考〕
●世界的な日本風ラーメン人気の火付け役 NYの「モモフク・ヌードル・バー」(Momofuku Noodle Bar)
10年以上の年月をかけて、ひとつのジャンルとして定着した日本式ラーメンの人気が、このタイミングで下火になる理由も、証拠も見当たらない。
むしろ、ニューヨークでは、現在も日本式のラーメン屋さんや、日本式のラーメンを出すお店は増え続けている。
Googleで”new york japanese ramen”を検索すれば、新しいお店のオープン情報、オススメのお店情報、ニューヨーカーがラーメンを愛する理由についての特集等など、日本式のラーメン屋さんの情報がいくらでも出てくる。
〔ご参考〕
●Nakamura Is the Newest Big-Deal Ramen Shop to Get Excited About Jan 27, 2016
●The 11 Best Ramen Spots in NYC FEB 18, 2016
●New York’s love for ramen noodles FEB 11 2016
さらに、日本式ラーメンの人気が広まった影響で、アジア系のレストランで通常メニューになかったヌードル・スープ(うどんっぽい麺)を新たに出すお店も出てきてる。
〔ご参考〕
●安くて美味しい!!! アジアン・スパイシー・カレー(Asian Spicy Curry)の野菜カレー・ヌードル