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お金のない企業が一流クリエイターに無料で仕事を受けてもらう裏ワザ

誰もが知る大御所の俳優さんが無名監督の映画に出ていた…なんてケースを目にすることがあります。超有名アーティスト、建築家、一流シェフなど、彼らがギャラ度外視で意外な仕事を引き受けるのはなぜなのでしょうか? その裏には「一流のタイミングがある」と、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは言います。

一流のタイミング

一流の能力のクリエイターには一流のギャラが必要です。一流のクリエイターの能力を借りたければ、それなりのギャラを用意しなければなりません。

それだと、一流の人に仕事を頼むとしたら、お金が潤沢にある大企業ばかりが発注し、お金が用意できない零細企業は厳しいじゃないか、と中小零細企業の人は思うでしょう。

それはもちろん、そのとおりです。しかし、一流のクリエイターは、「一流のタイミング」にも敏感です。

「一流のタイミング」というのは、何かをしようと思った時にチャンスが舞い込む絶妙のタイミングのことです。そして、その「一流のタイミング」は、一流のクリエイターの方々にとっては、一流のギャラに匹敵する重要なモチベーションの要素でもあるのです。

だからよく、そういう方々が、ちょっと特殊な方面の仕事をやった時に、インタビュー記事などを見ると、

「以前からこういうのがやってみたいと思っていたら幸運にも今回のようなチャンスを頂けた
「こういうのも面白そうだなあ、と思っていたらちょうどこの話が舞い込んできた

などということを答えています。そういうのが「一流のタイミング」なんですね。「自分たちには、一流のギャラを用意するのは無理だ」と思う人は、お金がないなら頭を使って、「一流のタイミング」を身につけていくのです。

実際、一流のクリエイターたちは、「一流のタイミング」の面白さがわかっているので、そういうものが舞い込むように日頃から、そのタイミングのヒントを発信しているものです。twitterやブログなどでそういう心情を吐露したり、インタビュー記事などでもふと漏らしていたり、その人の作品にその心情が表れていたりします。

そういうことを見逃さず、「一流のタイミング」で提案をすることで、その人にとっては一流のギャラを凌駕するモチベーションが湧き上がることが多々あります。

例えば、都会的な仕事を立て続けにやっている方が「たまにはのんびり、田舎でゆっくりしたいよ」というようなツイートをしていたとします。そんな時に、地方の零細企業の人が、「こういう田舎の産品のデザインをしてくれませんか。でも一流のギャラを用意できなくて、差し上げられるのは1年分の田舎のお野菜だけです」なんていう提案をしたとしますよね。すると、それを「一流のタイミング」と感じたら、「え、何それ、面白そう。田舎の野菜も食べたいし、そっちの田舎に自腹で打ち合わせに行かせて下さい」と喜んで返信してくれたりするわけです。

一流のギャラをそっちのけにしても同等以上のモチベーションが上がるのならば、喜んで引き受けてくれるんですね。それによって、その人は都会的な仕事だけではなく田舎の産品についてもスペシャリストになるという可能性の広がりもありますし、そういう面白そうなことは、執筆しているものやインタビューなどでも発信したくなるからです。

「こんな人が、なぜこんな仕事を受けているんだろう」という、一流の人が意外な仕事をしている時には、この「一流のタイミング」が働いているということが多いのです。そんな「一流のタイミング」を提供できる人が、一流のチャンスを手に入れます

「一流のタイミング」を見逃さないためには、世の中の流れや人の心などを、常にしっかりと観察しておかなくてはなりません。つまりそれは、マーケティングの感覚です。マーケティングの感覚を養うのに、零細企業だとか、地方企業だということは全く関係がありません。

一流の人に「一流のタイミング」をもたらす、そんなセンスを持ちたいものです。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

image by: Shutterstock

 

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