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コンビニ戦国時代の終焉。セブンイレブンが一人勝ちする明解な理由

革新的な取り組みもさることながら、売上げでもコンビニ業界で圧倒的な強さを見せるセブンイレブン。メルマガ『ビジネス真実践』では、セブンイレブンの他のコンビニとはまったく異なる「経営の方法論」を分析し、顧客ニーズの掴み方について述べています。

セブンイレブンに学ぶ

コンビニに入ると、どこも同じような広さにレイアウトで、同じような什器。しかも同じような品揃えの店がほとんど。このため、お客さんからしてみれば自分が入った店がセブンイレブンなのかローソンなのか、ファミリーマートなのか、気づかないことすらあるのです。

これは、コンビニ、スーパー、ファミレス、牛丼やラーメンチェーンなど、タイプ毎に店づくりの成功パターンが明確に解析されてきており、系列は違えども、似たような店づくりを行う傾向があるからです。

ところが、1店舗あたりの売上高は、セブンイレブンは67万円とローソンの55万円ファミリーマートの53万円を圧倒しています。店づくりは他社とほぼ同じにも関わらずなぜこのような違いが生まれてくるのでしょうか?

その原因は、店づくり以外のところにあるということになります。結論からいうと、商品が買い上げられるスピードが他社と違うのです。

これは有名な話ですが、海辺の町で、釣り船の発着場へ続く道沿いにセブンイレブンがありました。ここで、いつも同じおにぎりの品揃えをしていれば、商品が買い上げられるスピードは他社と同じになります。

しかし、「この週末は暑くなりそうだ。そうすると、お客さんも早朝に買いに来たとき、炎天下でも痛みにくい梅のおにぎりを選ぶのではないか」という仮説を立てるのがセブンイレブンなのです。そして、梅のおにぎりをいつもより多めに品揃えしておくと、それが瞬く間に売れていくのです。

長い冬の終わりごろ、少し温かくなる日があります。そうしたとき、「冬の間食べていなかった冷やし中華やアイスクリームを急に食べたくなる人たちがいるのではないか」と仮説を立てます。それに合わせて品揃えを充実させておくと、それがまた売れるのです。

おでんは1年の間で12月~2月の冬ではなく9月に一番売れるといいます。それは、秋めいた季節、朝晩少し肌寒く感じるころにおでんを見ると、急に食べたくなる人がいるからです。

このような仮説を立て、商品が買い上げられるスピードをドンドンと高めていった結果が、圧倒的な1店舗あたりの売上高になっているのです。

セブン&アイ・ホールディングス鈴木会長の言葉があります。

「我々の競争相手は同業他社でなく、めまぐるしく変化する顧客ニーズである」

同業他社の店づくり(成功パターン)を見ていても、結局、差別化にはならないということです。本来の差別化を追求するなら、顧客の心の内側を見る必要があるということです。

差別化を常に考える経営者は多いですが、そのほとんどが、「競合他社を見て…」というところから発想し、施策を立てて、というパターンで差別化を図ろうとします。しかし、それでは決して真の差別化にはなりません。それどころか失敗するケースの多いこと。

差別化というのは競合他社との違いを打ち出してナンボというのではありません。成功パターンに乗っかっても差別化など出来ません。表面的に見えている部分だけを捉えていてもダメなのです。

  1. 市場や顧客の潜在的なニーズを感じ先取りし、
  2. 商品、サービスとして顕在化する。
  3. そのサイクルを掴む。

この3点をしっかり抑えることです。特に小売・外食・サービス業にとっては必要且つ重要なことです。お客さんのことをもっと知りましょう。

今日のまとめ

『差別化したければお客さんをよく知ること。』

image by: Takamex / Shutterstock.com

 

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