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忙しい毎日をリセット。疲れた心に効くオトナ向け絵本ガイド

このほど、大人も楽しめる傑作絵本を紹介する無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』の配信がスタートしました。創刊号で紹介されているのは、見ているだけで癒される作品、感動で涙すること請け合いの作品など計5冊。もちろんお子さんとご一緒に読んでも楽しめますよ。

大人も楽しめる3冊のお勧め「王道」絵本

今回は、大人も楽しめる「王道」絵本を集めてみました。共通しているのは、主人公のキャラクターがかわいい、ということです。もちろん、「かわいい」だけでなく、ストーリーを含めた絵本全体の完成度も非常に高いものです。

くまのコールテンくん
(ドン・フリーマン・作/松岡享子・訳)

主人公はクマのぬいぐるみ。緑色のコーデュロイ(コール天)のズボンをはいているので、「コールテン」という名前です。コールテンくんはデパートのおもちゃ売り場で「飼い主」が現れるのを待っていました。

ある日、デパートに来た女の子が気に入ってくれましたが、お母さんに反対されてしまいます。ぬいぐるみのボタンが一個、無くなっているというのが反対理由の一つでした。コールテンくんは夜、お客さんがいなくなってから、ボタンを探すためにデパート内を歩き回りますが……。

リサとガスパール デパートのいちにち
(アン・グットマン・文/ゲオルグ・ハレンスレーベン・絵/石津ちひろ・訳)

「リサとガスパール」シリーズの1冊です。リサとガスパールは、おばさんと一緒にデパートのクリスマス・ショーに行くことになりました。2人は、おばさんがチケットを取りに行っている間にデパート内の散歩に出発。おもちゃで遊んだり、ビニールプールに水をためて泳いだりして大騒ぎです。2人は、はたしてクリスマス・ショーにたどり着けるのでしょうか。

『くまのコールテンくん』は無人のデパート内を静かに歩き回りましたが、リサとガスパールはいたずらのし放題。困ったコンビですが、かわいいので憎めません

げんきなマドレーヌ
(ルドウィッヒ・ベーメルマンス・作・画/瀬田貞二・訳)

マドレーヌはパリの古い屋敷で11人の女の子と一緒に暮らしています。世話をしてくれているのは先生のミス・クラベルです。マドレーヌは、いちばんのおちびさんでしたが、元気いっぱい。ネズミだって怖くありません。そのマドレーヌ真夜中に泣きだしたので、ミス・クラベルはびっくり。お医者さんをあわてて呼ぶと、盲腸炎でした。

マドレーヌはすぐに手術を受けました。ある日、女の子たちは先生とお見舞いに行きましたが、病室を見て……。

パリの観光名所が背景に描きこまれた挿絵を見ているだけでも楽しい絵本です。

アメリカで話題の洋書絵本-絵を見ているだけで楽しい!

The Bear Ate Your Sandwich(仮題:クマがサンドイッチを食べちゃった)
(Julia Sarcone-Roach・作)

主人公のクマの表情や仕草がユーモラスな絵本です。

暖かな朝、目を覚ましたクマは巣穴から出て、体操を始めました。そこへ、採れたてのベリーの芳香が漂ってきます。匂いの元を探してみたら、赤いトラックが止まっていました。

クマは荷台に上がり込んで、ベリーをむしゃむしゃ。おなかがいっぱいになったクマは、荷台で眠り込んでしまいました。

やがてトラックは、寝ているクマを載せたまま走りだしました。クマが目を覚ますと、そこは……。

>>次ページ 感動の涙が止まらない傑作絵本

命のつながりを考える-精一杯、生きて、静かに命を終える

きたきつねのしあわせ
(手島圭三郎・作)

木版画家として名高い手島圭三郎さんの傑作。素朴で美しい挿絵が光る「いきるよろこび」シリーズの一冊です。

主人公のキタキツネのオスは年老いています。まだ5歳ですが、キタキツネの寿命は短いのです。

冬になってエサが捕りにくくなると、共に子育てをしたメスは先に死んでしまいました。なんとか冬を乗り切ったオスは、ある暖かい春の日、昨年、生まれた子どものメスギツネに会いに行きました。もう一人前になって、子育てをしています。主人公は、かわいい孫たちと遊びました。

やがて夏になりました。主人公は5年前に一緒に生まれたきょうだいに会いたくなりました。山に行きましたが、キツネはいません。海に行っても、会えませんでした。「いきているのは じぶんだけだと おもいました」。

秋になると、主人公は次第に衰弱していきました。昼間から居眠りすることが多くなった主人公は、ある日、カラスの群れに襲われました。主人公を危機から救ってくれたのは孫たちでした。もうすっかり、たくましいキツネに成長していたのです。

寒さが増していき、雪が降ってきました。雪が降るなか、居眠りをしていた主人公が目を覚ますと、先に死んだメスがいました。空からオスを迎えに来たのです。2匹は「ゆきのそらを どこまでも のぼっていきました」……。

この絵本は短編小説に比べても圧倒的に短い作品ですが、内容は深くて濃いです。「生きるとは何か?」「死とは?」「幸せとは?」といった重い問いを突きつけられます。

冬、エサが捕れずに死んでしまったメスがカラスに食べられてしまいます。痛ましい情景ですが、自然界では普通に繰り返されていることなのでしょう。

精一杯、生きて、静かに命を終える──自然界を満たしているそんな時の流れから人間が離れてしまったとき、人の心に不幸の種がまかれたのではないでしょうか。

大人のための絵本ガイド
絵本は子どもの読むものというイメージが強いですが、実は、大人も楽しめる傑作がたくさんあります。このメルマガでは、絵本選びに困ったときに役立つヒントをご提供していきます。
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