SNSで再会の不倫相手が忘れられない…悩む女性に石田衣良が辛口助言

 

ぼくが心配なのは、あなたがこの20年間しんどくて、子育てと翻訳とその変な旦那のおかげでボロボロになっちゃっているような気がするんだよね。なので、ここらへんでちょっと心機一転、自分自身をメンテナンスしてください。もう少し恋愛をするのであれば、そこまで人に頼らない形の恋愛っていうのを考えたほうがいいかもしれないね。

旦那とは、正直いって離婚がいいんじゃない? 子どもも結構大きいから、もうそろそろ独立するだろうし、「もう一度一人で、人生を考えたくなった」といって子どもを連れて出て行ってもいいと思う。翻訳家として仕事もちゃんとしてるわけじゃない。なので、1回ちゃんと一人にならないと、依存の体質ってなおらないと思うんだよね。そのうえで、このEさん以外の独身の男はたくさんいますから、自分が好きになれる人と、きちんと付き合いなおしてみたらどうかな。

それと、若いころ無理矢理別れさせられたことって、自分の中に傷として残りすぎちゃうんだよね。だから「すごく大事で、他にはいないベストな人だった」っていうふうに思いがちなんだけど。実はEさんもベストな人じゃないわけです。結構ずるい男だよね。奥さんにはコテンパンにやられているし、離婚したあとも連絡をとらなかったってことは、あなたのことはもう念頭になかったわけだから。「あの人がベストだった」って言って執着しないほうがいいんじゃない? いや、言うほど大したことないってこの男も。

そう考えると、SNSも結構罪作りなとこあるよね。SNSで学生時代の恋が再び戻るとか、かつての同窓会的なパターンになっているもんね。切ない話です。でもそういう真面目そうな翻訳家の女性から「性の奴隷」とか言われると、ガーンとなるよね。「何やったんだ、君!?」みたいな(笑)。

source: 石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」

image by: Shutterstock

 

石田衣良石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」
著者:石田衣良
本と創作の話、時代や社会の問題、恋や性の謎、プライベートの親密な相談……。
ぼくがおもしろいと感じるすべてを投げこめるネットの個人誌です。小説ありエッセイありトークありおまけに動画も配信。週末のリラックスタイムをひとりの小説家と過ごしてみませんか?メールお待ちしています。
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