雨音の中、お部屋で読むあのワクワク感。梅雨に読みたい絵本セレクション

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毎日雨が続くと、気分も滅入ってしまいますよね。そんな時こそ部屋で絵本を読むのがいちばんです。今回の無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』の特集は、雨と仲良くなれる絵本。傘をくるくる回しながら歩いた子どもの頃を思い出せるような「名作」揃いですよ。

梅雨時期に読みたい、雨と仲良しになれる絵本

梅雨になりました。しばらくは、うっとうしい天気が続きますね。こんなときは雨と仲良しになるのがいちばん。傘やレインブーツの買い物も楽しいですが、雨をテーマにした絵本もお勧めです。

1

おじさんのかさ
(佐野洋子・作)

主人公の「おじさん」は「とっても りっぱなかさ」を持っていました。出かけるときはいつも持って歩いていましたが、雨が降ってきても傘を開きません。濡れて傷むのが嫌だったからです。

ある日、突然、雨が降ってきました。傘を持っていない男の子がおじさんに、一緒に傘に入れて行ってほしいと言いましたが、おじさんは聞こえないふり。結局、男の子は友だちの女の子の傘に入れてもらいました。

男の子と女の子は「あめが ふったら ポンポロロン/あめが ふったら ピッチャンチャン」と歌いながら帰っていきます。その歌を聞いたおじさんは……。

絵も楽しいし、お話も面白い──まさにユーモア絵本の傑作です。

2

はっぱのおうち
(征矢清・文/林明子・絵)

林明子さんのかわいい挿絵が正統派の絵本の雰囲気をかもしだしています。『おじさんのかさ』とは違って、絵本の「優等生」といった感じです。

主人公の女の子が庭で遊んでいると、雨が降りだしました。女の子は、重なるように生い茂った木の葉が雨を防いでくれる場所にしゃがみました。

ところが、そこには先客のカマキリがいて女の子はびっくり。さらに、チョウやコガネムシ、テントウムシ、アリも雨宿りに来ました。

女の子は、雨宿りをきっかけに自分の周りに多くの生き物がいることに気づきます。人間と自然のつながりを感じさせてくれる絵本です。

3

空の絵本
(長田弘・文/荒井良二・絵)

壮大なシンフォニーのような作品です。長田弘さんの美しい文章と、荒井良二さんの迫力満点の挿絵が感動を引き起こします。

森に雨がぽつり、ぽつり。だんだん雨が激しくなり、稲妻まで光る豪雨に。やがて、雨が弱まり、夕焼けになり、星空に……。とくにストーリーはないのですが、想像力と感性が激しく刺激されます。

絵本というより、もはやアート作品です。梅雨のうっとうしさを吹き飛ばしてくれます。

アメリカで話題の洋書絵本-絵を見ているだけで楽しい!

 

4

Yard Sale(仮題:不要品セール)
(Eve Bunting・文/Lauren Castillo・絵)

主人公は女の子。彼女の一家は経済的問題のために引っ越さなければならなくなりました。一軒家から小さなアパートに移るのです。家具が入りきらないので、庭で不要品セールをすることにしました。女の子のおもちゃも売られてしまいます。

さびしい気持ちでいっぱいの女の子に、セールに来た女の人が言いました。「なんてかわいいの。あなたも買えるの?」

悲しさに耐えられなくなった女の子は激しく泣きだしました。そんな彼女に両親がかけた言葉とは……。

インクと水彩による挿絵が主人公一家の境遇や女の子の気持ちを、やさしいタッチで的確に表現しています。

大人のための絵本ガイド
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