金正恩氏も視察。「北朝鮮アニメ」制作現場の裏側

 

私たちは次に、背景作画室に歩みを移した。

私たちがアーチストのピョン・ソンチョル(30歳)の作業の様子に目を見張っていると、チョ・ミョンドク団長は「背景作画室にやってこられた元帥はアニメ映画『少年元帥』に出てくる人物のモデル画をご覧になって、この撮影所でずいぶん前につくったアニメ映画『少年将軍』は凄い人気だったと、今は50部で完結したが、今後さらに100部までつくれば、朝鮮の人民とこどもたちに、本当によろこぶだろうと言われました。」と話すのだった。

そう言いながら、元帥はシリーズでつくるアニメ映画「少年将軍」をつうじて、朝鮮民族の気高い愛国心と尚武の気風、美風良俗、賢くて勇敢な戦いの物語をじっくりと見せてやらなくてはいけないと言われ、そのための具体的な製作指針も教えて下さったと、熱く語った。

間違いなく原画作画室、背景作画室をはじめ1創作団のクリエーターたちは、アニメ映画「少年将軍」のシリーズ作品を元帥の意図するとおりに見事に製作する熱意のもとに万端の準備を整え、製作活動を力強く推し進めていた。

私たちは、第1創作団の次に元帥が足を運んだセリフ録音室に赴いた。

ここでは製作中のアニメ映画のセリフ録音の真最中だった。

TV画面で繰り広げられるアニメ映画のシーンを見ながら、自分が受け持つ人物の動きまで成りきって演じながらセリフを録音する声優たちの作業風景には、まったく興味津津だった。

キム・ヒョンジュ(55歳)室長が、声優のリ・ウンジュ(48歳)、トン・ユンミ(36歳)、リム・ボクヒ(29歳)、リ・リョン(32歳)を私たちの前に並ばせて、言った。

「彼らは、私らの宝です。元帥は、彼らがセリフを録音する様子も微笑みを浮かべながらご覧になり、録音する時には細部の問題に至るまで親しく諭して下さいました。」

声優たちは、元帥を身近にお会いした栄誉を胸に携え、演技力をより高め、セリフ録音をもっと巧くこなしていく熱意にあふれていた。

第1制作団とセリフ録音室でクリエーター、アーチストたちの高らかな熱意を目撃した私たちの歩みは、さらに軽やかになった。

セリフ録音室を出た私たちは、第2創作団へと向かった。

>>次ページ 北朝鮮発3Dアニメは海外でも高評価?

print
いま読まれてます

  • 金正恩氏も視察。「北朝鮮アニメ」制作現場の裏側
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け