金正恩氏も視察。「北朝鮮アニメ」制作現場の裏側

 

第2創作団で

第2創作団に向かう途中、オ・シンヒョク課長は「2創作団は、アニメ映画製作で世界的な流れになっている3Dアニメを製作する制作集団です。」と話した。

私たちがオ・シンヒョク課長に案内されて第2創作団の演出および特殊効果室に入ると、ソン・ヨンサム(50歳)団長が、顔をほころばせて迎えてくれた。

彼は私たちに眼鏡を渡し、自分たちのつくったアニメ映画の一場面を見るように言った。

アニメを見ると、あたかも画面に繰り広げられる童話の世界に、そのまま引きずり込まれるような活き活きとして立体的な、これまでのアニメを見た時とはまるで違う感覚だった。

時空間的な奥行きが強く感じられる所に、まさに3Dアニメ特有の魅力があった。

二次元ではなく三次元上で、動画を、そして動き(モーション)を見せてやらなければならないため、制作団のクリエーターたちは、高いコンピューター技術を持っていなくてはならなかった。

現在他の国で、彼らの製作する3Dアニメが大人気だという。

以前には、この制作団では「ミツバチ兄弟の翼服(ウィングスーツ)」、「新しい友達」(1、2部)、「オコゼの兄弟」をはじめとする朝鮮アニメ映画と、100篇を越す製作依頼を受けたアニメ映画を遜色なく製作して高いレベルに達した朝鮮のアニメ映画製作技術を余すところなく見せつけた。

ソン・ヨンサム団長は、わたしたちに制作団の多くのクリエーターが金日成総合大学と金策工業総合大学、ピョンヤン美術大学を卒業した20~30代の活きの良いスペシャリストだと言い、中心になるメンバーがシッカリしているから、これからも、さらにすばらしい作品をつくって行くことが出来ると、こう語った。

「元帥は、私ら制作団にいらして、クリエーターの平均年齢も訊ねられて、技能向上計画と設備の問題、クリエーターの人材育成問題について貴重な教えを下さいました。いま私たちは、朝鮮を世界でも屈指のアニメ映画大国にしなくてはならないと言われた元帥の意向を高く掲げ、アニメ映画製作で世界の先頭に立つという炎のような熱意に溢れています。」

彼の話を聞いていたオ・シンヒョク課長は、「この撮影所のすべてのクリエーター、アーチストは、いま元帥が教えられた通りにすれば、いくらでも朝鮮をアニメ映画大国にすることが出来るという確心を抱いて、それを貫き通すため、みな一丸となって取り組んでいます。」と語るのだった。

私たちは、ここで朝鮮4.26アニメ映画撮影所に対する取材を終えた。

朝鮮4.26アニメ映画撮影所を後にした私たちは、絶世偉人をデディケートして、アニメ映画製作では新しく革命的転換が起きて、遠からず人気のアニメ映画が滝壺のように降り注ぐだろうことをハッキリと確信した。(2015年3月掲載)

平壌旬報 編集後記

アニメ製作の現場は今やデジタル化が進み、国の重要なコンテンツ産業になっていることが窺えます。これもグローバリゼーションなのでしょう。北朝鮮も例外ではないようです。次回は朝鮮で大人気だったアニメ映画、主に80年代から現在の作品をダイジェストで紹介します。

『平壌旬報』
平壌で発行されている紙誌から人々とその生活を取り上げた記事を翻訳紹介します。北朝鮮の経済、文化・芸術、人物紹介を主に取り上げました。日本のメディアではほとんど知り得ない内容ばかりを配信します。日本語としてあまりに無意味空疎でない限りは北朝鮮特有の美辞麗句も、聞き慣れないことを承知でそのまま削除せず掲載します。 週末に「未知の国」の生活を覗いてみましょう。
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