値下げに伴うリスク
一方、値下げも慎重に行う必要があります。値下げは消費者にとって得になることだからといって、安易に行っていいものではありません。消費者は価格で価値を判断する傾向があるからです。価格が低いと価値も低いと判断される危険があります。また、価格を下げれば売り上げは確保できますが、顧客のロイヤルティを獲得できるかは別問題です。
低価格志向の企業が値下げやセールを行うことは理にかなっているため大きな問題はありません。しかし、高価格帯や中価格帯の商品・サービスを販売する企業が値下げやセールを行うことは、売り上げは確保できますが、顧客のロイヤルティは逆に失ってしまうリスクが生じてしまいます。大塚家具はそのことを見誤ってしまったことで、業績を悪化させることになってしまったと言えるでしょう。
「価格」は業績を決定づける重要な要素です。しかし、操ることが簡単なために、安易に操作してしまうことで失敗してしまうケースが少なくありません。慎重に慎重を重ねて決定・変更を行うべきでしょう。大塚家具やユニクロ、東京ディズニーリゾート、クリスピー・クリーム・ドーナツの事例がそのことを端的に表していると言えそうです。
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『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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