自店への批判をあえて店内に掲示した
KODOで寄せられた意見や感想と、それに対する改善アクションの内容を店内に掲示しているところもあります。たとえばある店舗では、「店内の音楽が賑やか過ぎてうるさい」という同店に対する苦情を掲示し、それに対する対応と感謝の気持ちを店内掲示ポスターで提示していました。
自店に向けられている苦情や苦言を顧客にさらすということは気持ちのいいことではありません。できれば、目を瞑って見過ごしたいと思ってしまうものです。しかし、苦情や苦言を受けるということは、成長のきっかけになるという事実も一方で存在します。また、受けた苦情や苦言を店内で掲示するということは、顧客の苦情や苦言から目をそらさない度量があることを示す行為となります。その度量に対して顧客は何か感じるものがあるはずです。
同社はそのことに気づくのが遅かったという意見もあるかと思いますが、なんとか失地を回復させたいという意志は伝わりつつあるようです。業績の回復がそのことを示しています。
とはいえ、一度失ってしまった信頼を回復させるということは容易なことではありません。KODOでの取り組みは1年を経過したにすぎません。こうした「顧客視点」の取り組みが今後も継続できるのかが問われることになるでしょう。まだまだ、同社の取り組みや姿勢を注意深く見ていく必要があるのかもしれません。今後に注目したいところです。
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『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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