中村うさぎ流・子育て論。幼い子どもに「1+1=2」なんて要らない

 

ママ友の付き合いは私には未知の世界だけど、彼女たちが子どもに本当に教えたいことは何なのか、一度訊いてみたらどうでしょう?
あなたに似た教育観を持つ人もいるかもしれませんし、そういう人と仲良くなって、あれこれ情報交換(どこの塾がいいとかじゃなくて、どんな本を読ませたいか、とか)をするのも楽しいんじゃないかな。

価値観の合わない人たちと情報交換をしたって、自分が不安になるだけです。
それこそ硬直した価値観の狭い世界に、あなた自身が取り込まれてしまう。
それは、あなたにとってもお子さんにとっても幸福とは思えません。

もしも周囲にあなたと似た教育観を持ってる人がいなくても、ネットで探せば見つかるかもしれません。情報交換が目的なら、ネットでも充分です。
一緒にお茶したりお喋りしたりしなくていい分、もっと気楽だとも考えられます。

そんなわけで、まったく役に立たなかったかもしれませんが、これが私の考えです。私がママだったら、たぶん、そうする
正しいかどうかはわかりませんが、たぶん正解なんてないのだと思います。

のまのまさんは、今までの人生で、一番幸福を感じたのはどんな時だったでしょうか?
それを、あなたのお子さんに与えてあげればいいのだと思います。
あ、誤解のないように言っときますが、たとえばそれが「子どもを産んだ瞬間」だったとしても、お子さんに「子どもを作りなさい」と教えることではありません。

子どもを産んだ瞬間に、なぜ自分が幸福だと感じたのかを思い出してみるのです。
「この子のために生きたい」と思ったことが幸せだったのなら、お子さんに「その人のために生きたいと思えるような誰かをきっと見つけてね」と教えればいい。

それは「恋人」とか「子ども」とかに限定する必要はないのです。
どんな相手のために生きたいと思うかは、お子さんが自分で探せばいいことですから。

まぁ、親にできるのはその程度です。
あとはお子さんがひとりで道を切り拓いていけるよう見守ることだけじゃないかな。

うーん、やっぱり他人事っぽい回答だったかな。すみませんです。
一生懸命に考えたんですが、これが私の限界みたいです。

source: 中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話

image by: Shutterstock

 

中村うさぎ中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話
著者:中村うさぎ
週刊文春連載『ショッピングの女王』『さすらいの女王』に続く新女王シリーズ『女王様のご生還』が読めるのは当メルマガだけ! 女王様の気まぐれで自筆挿絵付?その他、中村うさぎ本人から回答させていただく『中村うさぎの人生相談』、10年の時を経て中村うさぎ本人による新たな解釈を加えて大幅加筆された『週刊四字熟誤』など、中村うさぎがフルパワーでお届けいたします。
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