【いじめ】1000人アンケートで判明、いじめっ子といじめられっ子の特徴

 

実際、私は下駄箱でのいたずら被害が放置されたことで、特定の被害者に上履きの投げ捨てや落書き、外履きを隠すなどのいじめ被害が起きている学校で、ある提案をし、それが受け入れられたことによって、被害が発生しなくなったという解決事例がある。

この学校では、教員の有志が手分けをして、見回りの強化という日常でやっている見回りを意識的に行うというぐらいの対策しか行われていなかった。

これを、私は、○○の強化というのは、被害側から見れば、効果がないのならば、やっていないも同然と判断できると評価した。

反発はあったが、事実であるので、まず頭脳が機能不全を起こしている現実を見ろとあえて対立し、論破した。

その上で、被害が二度と起きないためには、下駄箱の位置を職員室の中にするなど、改装をするか、大きな箱に一斉にまとめて、管理するかの2つの選択肢があると提案した。職員室内部では、必ず職員がいるため、被害は起こらないと考えられる。また、一括管理となれば、同様に被害は起こりえない。

管理する場合は誰が管理するかなどの負担はあるが、シフトを組んだり一定の工夫をすることで、見回りをしなければならないという、負担は強いられるのに、そもそもの穴や意識の違いなどがあり、取り越し苦労となるような無為な対策より、圧倒的に効果がある。

改装は期間と費用の問題で採用されず、一括管理を1ヶ月試すということが採用されたのだが、クラスの色を出すために、クラスごとに管理する大きな箱に絵を描くというレクリエーションや、どのクラスが最も早く箱にしまえるかなどを取り入れることで、遅刻なども減るという効果があった。

また、これと伴って、原案を私が考え、各学年で、いじめに関する講話や話し合いを行うというものが実施された。

その上で、この講話中の変化がある子などを中心に注意深く観察したりフォローを教員が入れるようにしてもらったところ、加害行為において見張りなどをしていた児童が自ら告白し、その異変に気がついた加害児童も自ら告白した。

積極的な養護の先生のフォローが被害者にあり、被害児童は、確かに強いストレスを持っていたが、加害児童らの謝罪をしばらくして受け入れることとなった。

いじめ対策というのは、これで終わりではない。継続的に予防防止対策は行う必要があるし、起きてしまうものは、なるべく初期に対応する必要がある。1000人インタビューは、インタビュー対象者が1000人を超えても継続を続け、年度ごとに白書を発行する予定である。

今後、インタビューケースが増えることで、より鮮明な特徴や共通項が、出てくれば、いじめ予防や解消対策により強力に有効な対策が見出せるものだと考えている。

image by:  Shutterstock.com

 

『伝説の探偵』より一部抜粋

著者/阿部泰尚

2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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