カルビー「フルグラ」売上が好調も、なぜ株価が低迷してるのか?

 

フルグラが好調でも株価は低迷

しかし、フルグラの大ヒットで業績が好調のように見えるカルビーですが、同社の株価は低下傾向を示しています。2015年4月に最高値(13年10月1日の株式分割以降)の5,700円をつけましたが、その後は若干の乱高下を繰り返し、なだらかに低下し続けています。株主総会前日の6月21日には年初来安値となる3,855円にまで落ち込みました。

カルビーの業績は好調に見えますが、松本晃会長兼CEOは「あまり褒められた発表ではなかった」と慎重な発言をしています。同氏は「残念なことに、営業利益288億円に対して281億円、7億円ミスした」と目標に届かなかったことを示し、「株主に対して約束を果たせなかった」と述べました。需要と供給のアンバランスや、同社の完全子会社「ジャパンフリトレー」の営業利益が計画より約10億円マイナスとなったことが影響したことを示しました。

2016年3月期の営業利益率は11.4%(前年同期比0.5ポイント増)と過去最高を更新しましたが、計画に対しては未達となっています。円安等による原材料費の増加や設備増強による償却費の負担増、北米の稼働率低下などの影響により粗利益率が低下しました。

海外市場では、シンガポールにおいて販売代理店を子会社化し、北米では新工場の操業を開始し、英国ではスナックの製造・販売を開始しました。カルビーは海外の売上比率を30%以上にしたいとしています。しかし、中国では業績が不振だった「カルビー(杭州)食品有限公司」の合弁契約を解消するなど、不安要素も見受けられました。

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