代表的な事例
千葉県東部の高校に通うA子さんは、17歳で友人と2人で、渋谷の道玄坂あたりをブラブラ歩いていた。
すると、突然、声をかけらた。
ナンパかと思い、無視をしていると、アイドルや芸能人の名前を出してきて、思わず立ち止まってしまった。
男は近くにいたもう一人の男に声をかけた。
そして、こういった。
男:「芸能界に興味ない?話だけでも聞いてよ。」
Aさんと友人は、”話だけくらいなら聞こうかな”と思ってしまった。
また、二人であったから、何かあったら逃げれば良いと思っていた。
しかし、キャッチは二人組の方が落としやすいと踏んでいた。
まず、二人組は背景では互いのライバル心が少しある上、互いの意見がバッチリ一致することもない。
心地よい褒め言葉をのせて、その気にさせれば、容易に説き伏せることもできると踏んでいる。
また同時に、二人でいることで安心感があって、警戒心も薄くなりやすい。
”まさにうってつけのカモであった。”
Aさんと友人が、案内されたのは、渋谷駅を横切った先にある雑居ビルの一室であった。
中には芸能人のポスターが壁に貼ってあり、少し汚れたパーティーションに薄い段ボールが積み上げられていた。デスクは紙の資料やタバコの吸い殻などがあり、ビジネスフォンが各デスクに備えてあった。
見た感じ、確かに芸能事務所だとも言える。
A子さんは、年齢の質問に「18歳」と答えてしまった。実際は17歳であったが、自分を少し大きく見せようと嘘をついてしまったということであった。
奥の部屋に案内されると、そこは応接間になっていて、しばらくすると、女性が飲み物は何がいいかなどと聞いてきた。
女性が事務所にいるということは怪しい事務所ではないと判断してしまった。
女性が去ると、中年の男性がチェック表のようなものを持ってきて、内容をよく読んで、良ければサインをと言われ、内容をほとんど読まずに、サインをしてしまった。
サインをすると、宣材写真も含めてグラビアの写真も撮ろうという話になり、その面接の部屋の隣にあるスペースで、水着に着替えることになった。
撮影の最中、もう少し際どい感じの写真を撮れるなら、3万円くれるという話になった。
周囲は男性だらけで少し怖くなったAさんと友人は、トイレにいきたいと言ってその場を抜け、水着の上に服をそのまま着て、逃げ出してしまった。