挫折する中国の野望。いま日本に残された最善の道は「時間稼ぎ」

 

下がる人民元シェア

アメリカから覇権を奪いたい中国。主な戦略は、「人民元を国際通貨にすること」です。なぜ?

アメリカの強さの源泉は、「基軸通貨ドルをいくらでも発行することができること」。15年前まで、ドルの地位は絶対的でした。しかし、ユーロによって徐々にその地位は低下していった。そして、今度は、中国が人民元国際化で、アメリカの通貨覇権に挑戦する。

中国は昨年、金融面で二つの大きな勝利を得ました。一つは、AIIBに57か国が参加したこと。もう一つは、人民元がIMF・SDRの構成通貨になることが決まったこと(11月)。

しかし、快進撃はここまででした。いま人民元はどうなっているのでしょうか? 夕刊フジ8月19日から。

人民元は昨年11月、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成銘柄に採用が決まった。

 

習政権にとっては、アジアインフラ投資銀行(AIIB)と並んで国際金融の世界で存在感を高める大きな成果だったはずが、実態はさびしい限りだ。

どう「さびしい限り」なのでしょうか? 具体的に。

銀行間の決済インフラを手がける国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、今年6月時点で決済に使われた人民元のシェアは1.72%と14年10月以来の低水準となった。

 

米ドル(40.97%)、ユーロ(30.82%)、英ポンド(8.73%)、日本円(3.46%)を下回るどころか、カナダドル(1.96%)を下回る6位に低迷している。15年8月には決済シェアが2.79%と円を上回り、「第4の通貨」となった勢いは完全には失われた。

 

今年10月にはSDRに正式採用される予定だが、「国際通貨」とはとても呼べない状況だ。
(同上)

人民元のシェアは、1.72%。カナダドルを下回る、世界6位。う~む、確かにこれでは、「国際通貨と呼べないですね。

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