そして、お別れの日。送られるポーランドの子どもたちも、見送る日本人も、涙、涙、涙……。
765名に及ぶポーランドの子どもたちは、故国ポーランドに向けて、順次旅立っていきました。
子どもたちを送り届けた日本船の船長は、毎晩、ベッドを見て回り、一人ひとり毛布を首まで掛けては、子どもたちの頭を撫で、熱が出ていないかどうかを確かめたといいます。
「もしお父さんが生きていれば、お父さんの手は、きっとこんなに大きくて温かいんだろうなぁ」
と、薄眼を開けて、船長の巡回を心待ちにしていた子どももいたそうです。
この子たちは、帰国後、孤児院に収容され、それぞれの人生をたくましく生き抜いていくことになります。
たったひと夏の経験でしたが、日本人から受けた愛情が、彼らの生きる力になったことでしょう。
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