国内外で笑いものに。中国がG20サミットで大恥をかいた3つの事件

 

ところで、冒頭で述べたオバマ大統領のタラップに赤絨毯がなかった件ですが、毎日新聞では華春瑩副報道局長が「米国側の要求であり、故意にそうする理由はない」と述べたとあります。しかしこの報道では、なぜ米国側がそのように要求したのかがよくわかりません。

<中国>「米国側の要求」 オバマ氏接遇問題

しかし、朝鮮日報ではその理由が書かれてあります。華春瑩副報道局長は「移動式タラップの運転手が英語を理解せず、米国の警備方針を理解できないという理由で、米国側がレッドカーペットを拒否したもので、意図的に冷遇したわけではない」と述べたそうです。しかし、米国側の警備係と意思疎通ができない運転手を用意したのは中国側でしょう。

G20:中国、任期残り4カ月のオバマ大統領を露骨に冷遇
G20:英紙「中国が巧妙にオバマ大統領を侮辱」

英国のガーディアン紙は「中国が巧妙にオバマ大統領を侮辱した」と報じていますが、中国側はそれを否定するのに躍起となっています。本来、習近平政権にとってはこのように釈明に追われるような出来事ですから、わざわざそのようなことをするとは考えにくいことです。

そこで囁かれているのが、習近平に恥をかかせるために、国内の反習近平派がわざとこのような事態を起こした、というものです。2014年9月に習近平がインドを初訪問した時期に、中国軍がインド国境を超えて侵入したという事件があり、モディ首相との首脳会談が非常に険悪なムードとなったということがありました。

習近平がインド訪問にあわせてわざわざ揉め事を起こすとは考えられず、このときも一部の人民解放軍が、習近平に恥をかかせるために行なったのではないか、という憶測が飛びました。

習近平が「腐敗追放を旗印に自らの権力強大化を狙ってきたことはよく知られています。これまでの集団指導体制を切り崩して、独裁体制を確立しようと画策していますが、それがはたしてうまくいくかどうかは、未知数です。

突出した軍事費も中国の経済成長によって支えられてきましたが、それも今後は不可能になっていくでしょう。習近平は軍事改革を進めて軍権掌握に務めていますが、それが未完成の間は、対外軍事行動は不可能です。軍権掌握を進めるためにも、国際的な緊張を作り出すしかなくなってくるわけです。

print
いま読まれてます

  • 国内外で笑いものに。中国がG20サミットで大恥をかいた3つの事件
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け