なぜ全米メディアは「ヒラリー重病説」をこれほど騒ぎ立てるのか?

 

それにしても、猛暑の中で多少体調を崩したとか、カゼ気味で念の為に「軽症の肺炎」という診断が出たぐらいで、どうしてメディアはここまで騒ぐのでしょうか?

そこにはメディアの思惑というのが作用していると見るのが妥当であると思います。というのは、仮にこのままヒラリーが圧勝してしまうのは困る人達がいるのです。例えばですが、ヒラリー優位が圧倒的になれば、9月26日から始まるTV討論の視聴率も下がるでしょう。

TV討論の視聴率だけなら大したことはありませんが、選挙戦が低調になると、選挙広告の出稿という巨大なビジネスの売上も低迷してしまう。これは困ります。といかく、メディアとしては、大統領選というのは、巨大なビジネスチャンスであるわけで、そのビジネスを最大化するには「接戦でなければ困るのです。

どう考えても「オーバーリアクション」としか言いようのない、「ヒラリーの健康問題」が大騒ぎになるというのは、そのように考えるしかないように思います。

image by: a katz / Shutterstock.com

 

冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋
著者/冷泉彰彦
東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは毎月第1~第4火曜日配信。
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