日本人には理解不能?ロシアでプーチンが「神」であり続ける理由

 

下院選挙に関心が薄い国民

今思い出すと、ロシアの選挙は90年代本当に面白かったです。一番ドキドキしていたのは、「共産党が巻き返し、またソ連時代に逆戻りするんちゃうか?」ということ。実際、自民党のジリノフスキーさんと共産党のジュガーノフさんは、「大統領になれる可能性があった政治家」です。選挙になると、みんなテレビの前にはりつき、結果に見入っていました。

ところが、プーチンが」になり、下院選挙への関心は薄れました。下院には4党いて、政治的立場もそれぞれ違う。しかし、この4党には一つの共通点がある。それは、「プーチンに反対しないこと」なのです。たとえば、この4党は、「クリミア併合」に大賛成しています。

ロシア経済は現在、「経済制裁」「原油安」「ルーブル安」でかなり厳しくなっている。それでも、プーチンの支持率は下がらず統一ロシアの支持率も高い。これはなんでしょう?

日本人はびっくりだと思いますが、ロシア国民の大部分は、

  • クリミア併合は、絶対的に正しい
  • それに対して経済制裁するのは、不当だ
  • クリミア併合を決断したプーチンは正しく、経済制裁を主導しているアメリカは、ひどい
  • 私たちの生活が苦しいのはアメリカのせいで、プーチンのせいではない

心から信じているのです。今後どうなっていくかはわかりませんが、現時点でプーチン体制は安泰なようです。

image by: Savvapanf Photo / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝の無料メルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 日本人には理解不能?ロシアでプーチンが「神」であり続ける理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け