「鼻セレブ」という高級ティッシュをご存知でしょうか。使ったことはないけど、商品名は聞いたことあるという方も多いかと思います。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では、著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、この「鼻セレブ」や人気お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」などを例に、ネーミングの大切さと成功法則についての考察を記しています。
なぜ「鼻セレブ」の売上は3倍になったのか?
ネーミング(名前を決定すること)の効果は絶大です。ネーミング次第で大きく売り上げが変わります。ネーミングで売り上げが変わる事例をいくつか紹介します。
化粧品業界の事例が一番わかりやすいでしょう。実は、化粧品メーカーが販売している商品の多くは、同じような成分の製品を、商品名を異にして各メーカーが販売しているにすぎません。
たとえば、A社が販売している化粧品XとB社が販売している化粧品Yの成分を比較すると、成分がほとんど同じであることがわかります。成分はほとんど同じでも、値段や売り上げは大きく違います。
ほとんど同じ成分で、Xは高級化粧品として、Yは大衆化粧品として販売していたりします。大きく異なるのは、商品名(ネーミング)とパッケージです。一方は高級化粧品にふさわしい商品名とパッケージに仕立て、一方は大衆化粧品に馴染む商品名とパッケージに仕立てています。
ネーミングの如何によって、同じような成分の製品であっても、高級化粧品にも大衆化粧品にもなってしまいます。それほどネーミングには力があります。人は商品名・サービス名で商品・サービスを判断してしまうのです。
「モイスチャーティッシュ」より「鼻セレブ」
ネーミングにより売り上げが激増した事例は沢山あります。たとえば、「鼻セレブ」は有名な事例でしょう。鼻セレブは高級ティッシュです。
鼻セレブは「ダブル保湿」と「天然由来スクワラン配合」という高機能を売りにした商品です。でもこの売りは伝わりづらいものがあります。成分について店頭でいちいち説明するわけにはいきません。
そこで重要となるのがネーミングです。当初は「モイスチャーティッシュ」という商品名で販売していたのですが、売り上げは伸び悩んでいました。保湿ティッシュ市場シェアは6~7%程度にとどまっていました。
そこで、商品名を「鼻セレブ」に変えたところ売り上げは急増しました。保湿ティッシュ市場シェアは20~25%を保つまでに成長したのです。