機動隊員が沖縄県民へ「土人」と発言する空気は誰が作ったのか?

 

政府は現在、沖縄県辺野古地区への基地移転方針を粛々と実行する考えで、方針を貫こうという姿勢は、現場での対立を助長するだけである。人は人を踏みにじり、力で片一方を抑え込もうとする。このエネルギーは平等の中からは生まれない。差別と偏見こそが排除のエネルギー。立場によって醸成されたエネルギーの衝突は、双方にとっても悲劇である。

機動隊の土人発言はそういった排除のエネルギーが口から出たものであり、責任は排除の命令をした側にある。

警備をさせたという責任ではなく、警備をせざるを得なくなった政治の問題である。政府と沖縄の対立構造は深刻化している。この構造を解消するのが政治の知恵。武器携行が法律上許されている警察組織が暴走しないためにも、政府は直接的な通達により事態をコントロールするのではなく、平和な空気の醸成に向けた方策に知恵を絞るべきであろう。

沖縄が混乱の中にあり、基地反対運動の中で、住民の行動がエスカレートするのは、権力側が絶対的に強いのがわかっているから。小さな衝突の繰り返しは、やがて誰かの命の代償を払うことになる。それは抗議側、治安側に限らず、悲しい出来事になるはずで、その前に出来ることを政治プロセスの中で進めなければならない。

 

メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』より一部抜粋

著者/引地達也
記者として、事業家として、社会活動家として、国内外の現場を歩いてきた視点で、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを目指して。
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