なぜ台湾の若者は今「日本統治時代」の映画を好んで観るのか?

 

台湾人は蔡政権を迎えて、アイデンティティーの見直しを迫られました。自分たちは中国人なのか台湾人なのか。「92共識」を受け入れていない蔡政権を支持すべきかどうか。その答えを探すためには、日本統治時代は避けて通れない道だったのです。

私もこれまで多くの著書で述べてきましたが、日本統治時代、日本は数え切れないほどの恩恵を台湾にもたらしました。それは、いわゆる植民地統治とは一線を画すものです。

メルマガの読者の皆様には、今更言うまでもありませんが、日本は台湾に教育、衛生、医療、インフラなど、近代社会として不可欠なものをすべて揃えました。その中で、台湾人と日本人との素晴らしい交流も数知れず生まれました。

日本時代を消極的に評価する人は、日本が去った後に来た国民党があまりにひどい統治をしたから、日本統治時代が美化されていると言いますがそれは違います。日本は台湾を植民地としてではなく、内地同様に扱い統治したのです。

そして今回、当時を知る生き証人たちにスポットが当てられたのが『湾生回家』でした。台湾生まれの日本人が、終戦とともに日本に引き揚げたけれど、故郷は台湾との思いを持っている人々。離れ離れになった台湾の友人をいつまでも気にかけていた台湾生まれの日本人たち。そうした人々にスポットを当てて、彼らの交流と人生に思いを馳せる映画。

その映画を、台湾の若者が見て、彼らは日本統治時代へと思いを馳せるというわけです。湾生たちが高齢ながらも、自らの体験を語れる今のうちに、こうした映画が登場したことは本当にいいことだと思います。歴史的な証言として、後世に残すことができます。

こうした歴史を再検証するムードは大歓迎です。台湾人は、台湾の歴史を再認識して自信を持って台湾人を名乗って頂きたい。そうすれば、その後の選択も自ずと決まってくるからです。

私は11月1日から5日まで、ロスアンゼルスの日本人会と二つの台湾人会で「蔡英文政権と日米中関係」をテーマに講演をしました。その際、『湾生回家』を見たという方がとても多かったのが印象的でした。

かつて、私は台湾で『海角七号』をはじめとするヒット作を手掛けた魏徳聖監督兼プロデューサーを訪ね、ヒット作の製作過程について聞いたことがあります。『セデック・バレ』の製作費用の捻出に苦しんだけれど、企業界で資金援助を得ることができたとの苦労話も聞きました。

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