すき家が強気に出た。1080円の高級弁当に隠された3つの意図

 

すき家のコストリーダーシップ戦略から差別化戦略への転換は成功するか?

これまで牛丼業界では、価格重視のビジネスが展開され、すき家は規模の優位性をフル活用して、吉野家や松屋といったライバルに対して優位に競争を展開してきました。

ところが、コスト削減を究極まで追求していった結果、24時間営業店舗で夜間に店員が一人しかいないというワンオペレーションがブラックだと社会批判を受けた影響もあり、業績が悪化。2015年3月期はマイナス111億円という大幅な赤字に転落してしまいました。

これはメイン顧客が価格に敏感な場合、ビジネスが非常に難しくなることを如実に物語っています。

そこですき家は、これまで長い間展開されてきた牛丼業界の不毛な価格競争から抜け出し、ブランドを高めて安定的な成長を目指すべく「高級牛丼」を敢えて投入してきたのです。

「高級牛丼」投入の1つ目の意図は達成しました。

1,000円を超える高級牛丼が戦略商品として成功を収めるには、残り2つの目的を達成できるかにかかっているといえるでしょう。

【1日3分MBA講座:本日のTake away】

商品にはそれぞれ企業の最終的な目標を達成するための役割がある

必ずしもその商品自身が売り上げや利益アップにつながらなくても、「ある役割を持った」戦略商品を活用することで、最終的な目標を達成することができるようになる。

image by: Takamex / Shutterstock.com

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