【書評】なぜ「反戦・脱原発デモ」は中二病と言われてしまうのか

 

ご隠居はこの三つの理由を一つずつ、詳しく論じていく。「三ちゃん二生のデモ」という見立ては秀逸。デモ参加者は、ばあちゃん、じいちゃん、かあちゃん、学生、先生で、労働の現場の働き手が数えるほどしかいないデモでは、実務的知性が希薄で、「命より大切なものはない」「あの戦争を繰り返すな」という常套句が生活者の実感からかけ離れている。あの戦争って? 誰が大東亜戦争をもう一度やれと言ってるんだ? 原発や安保関連法には、日本の社会経済を担う現役にとってどうしてもくい止めるべき急迫性はない。あるのはリベラルのバーチャル脳内観念世界限定の話であり、真に受けるのが愚かであろう。

冷笑家を自認する筆者のとびきりの提案。原発を吉祥寺と千代田区へ、東京の米軍基地の拡大、さらに高学歴・高偏差値・実家の年収1,000万以上の子女から徴兵していくシステムを確立→政財界トップは我が子を殺したくないから開戦に踏み切る確率は激減、戦争はできるがしない国の完成だよ。ご隠居はリベラル派を「セカイ系で中二病」と診断する。リアル系を予めブロックし、大東亜戦争と日本国憲法で自己中にガッチガチに守りを固めたのが日本のリベラルだ。この本、「反戦・脱原発リベラル」が勝利するためのヒントがいくつも入っている。読んで不愉快になるでしょうが、我慢して読みましょう。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock

 

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