白バイ隊員が明かす、違反ドライバーとの間にある「1分間の駆け引き」

 

Sさん「まぁ悲しいことにそれが国家権力なんだよな。で、話を戻すけどさ、吉田だって速度超過で呼び止められたらオマケされた場合素直に認めたくなるだろ?

吉田「すみません。僕の場合は時と場合によりますね。根本からスピード違反を認めない可能性もありますので(苦笑)。あ、僕がさっき質問したことなんですが、オマケを受け入れないドライバーにはどうなるのかなってことなんですけども」

Sさん「あー、ごめんごめん。話がそれちゃっていたなぁ。最初からスピード違反したことを認めていて、速度超過のオマケは不要ってドライバーに対してどう対応するかってことだっけ?」

吉田「そうです。最初から速度超過をオマケした形で計測したデータをもとにドライバーを呼び止めるわけですから、オマケ不要って人にはどうするのかなって単純に思っただけなんですけどね」

Sさん「実はこの状態だとドライバーとの駆け引きにもなるんだよ」

吉田「え? 意味わかんないです。駆け引きすること自体が謎すぎますが……」

Sさん「細かく説明したほうがいいか?」

吉田「はい、もちろん(笑)!」

Sさん「まず、取り締まる側は30キロオーバーで検挙すると赤キップになるので、反則金処理じゃなく罰金刑になってしまうから国庫へお金が入ってしまうことをなるべく阻止するわけだ。で、自治体を潤わす考えを持つ警官だと29キロオーバーまでの寸止め計測で速度超過で検挙する。普通のドライバー……つまり吉田みたいなひねくれた奴じゃなく……」

吉田「僕はひねくれてなんかないですよ(苦笑)。道路交通法の知識が薄くしか持ってないドライバーのことを指しているんですよね?」

Sさん「そうそう。そのようなドライバーは30キロオーバーで走行していた認識を必ず持っているはずなので、こちらから”随分飛ばしてましたねぇ。お急ぎなんですか?”など、柔らかくドライバー側へ当たり、”30キロ以上超過していましたが、29キロオーバーでオマケしておきますから”と説明し、免許証を提示してもらう。既に29キロオーバーで計測しちゃっているんで、オマケを断ってきた場合は別の対処法が必要になる」

吉田「でもオマケするって言って拒否するドライバーはほぼ皆無じゃないんですか?」

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