電力会社は過去のものに? 電気「自炊」の未来までそう遠くはない

 

また、僕は以前からお話ししていますように、動力が変わるだけでなく、自ら作る時代へと変わると考えています。

インターネットの変遷をみればわかるように、ダウンロードだけでなく、エネルギーを個人で製作し、アップロードまでする時代へと変わるのです。

現在は、自然代替エネルギーへのシフトが世界中で進んでいますが(一部、既得権の強い国は除く)、その先にあるのは、電気の「自炊」です。

まるで家庭菜園を営むように郊外に太陽パネルを設置する人も増えるでしょうし、共同住宅では、共有エネルギーシステムの設置も進むでしょう。

小型高性能のパネルも登場することから、街中で日常的にエネルギーを作る人も増えると考えます。

ただし、その前に時代の変化に伴う軋轢が生じるのは歴史の教えです。

大規模な家庭用蓄電システムが年々安価になり、緊急時のためだったバッテリーが各家庭に常設されるようになって、ガソリンどころか、電力会社も過去のものとなるまで、どれくらいかかるのでしょうか?

少なくとも、自炊&買電がハーフ&ハーフになるのは、欧州などを見ると2020年代後半に思え、もうあと十年で様変わりすることになるのです。

スマートフォンが登場して10年。

気がつくと、世の中様変わりしたように、動力革命もあっという間に社会を変え、ただし、一部の国はガラパゴス化する可能性も否めません。

さて、冬の福岡といえば鍋ですが、気がつくと電気で煮込む店も増えてきました。

もはやガスは、存在自体が情緒的な感じもしますが、暖炉からストーブ、そしてエアコンに変わったように、生活環境全般を取り巻くエネルギーシフトがはじまります。

次のパラダイムシフトは、そう遠くないのかもしれません。

image by: Shutterstock

 

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