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やっぱり1位はあの作品。「映画野郎」が選ぶ2016年ベストテン!

毎年恒例、『映画野郎【無料メルマガ版】』が選ぶ「年間映画ベスト10」の2016年度版が決定しました。ランキング上位が洋画ばかりだった昨年に比べ、日本映画の健闘が光る2016年バージョン、1位の栄冠に輝いたのは果たしてどの作品なのでしょうか。

激選! 2016年度「映画野郎」ベストテン特集!!

男性向け映画情報WEB&メールマガジン「映画野郎」がオススメする、2016年公開映画のベストテンが決定しました! 果たしてどんな作品が上位に入っているのか!?

【2016年度 映画野郎ベストテン発表!!】

1位:シン・ゴジラ  80点
2位:この世界の片隅に  66点
3位:ヘイトフル・エイト【R18+】  44.5点
4位:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー  40.5点
5位:帰ってきたヒトラー  40点
6位:デッドプール【R15+】  31点
6位:シング・ストリート 未来へのうた【PG12】  31点
8位:リップヴァンウィンクルの花嫁  30点
9位:ロブスター【R15+】  27点
10位:セトウツミ  24.5点

総評

1位に輝いたのは、日本が誇る大怪獣映画「ゴジラ」シリーズの復活作にして、昨年興行収入81億円の大ヒットとなった『シン・ゴジラ』。膨大なセリフと情報量で圧倒する怪獣映画らしからぬ演出が話題を呼びました。そして惜しくも2位となったのは、ネットなど各方面で話題を振りまいた傑作アニメ『この世界の片隅に』ということで、今年は日本映画でワンツーフィニッシュという結果に。

俺たちの大好きなクエンティン・タランティーノ監督が、「らしさ」全開で描く密室劇『ヘイトフル・エイト』が堂々の3位に付け、そして現在大ヒット公開中の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が、締め切り間際の12月16日に公開されたばかりにも関わらず、4位に飛び込む大健闘。

5位に入ったドイツ産SF風刺劇『帰ってきたヒトラー』、6位の異色アメコミヒーロー作『デッドプール』、そして9位のSFコメディ『ロブスター』は、それぞれ強烈かつブラックな笑いで選者にインパクトを残しました。1985年のベルリンを舞台にした青春音楽映画『シング・ストリート 未来へのうた』は、80年代ロック好き世代にビシっと突き刺さってしっかりと6位にランクイン。

8位には岩井俊二監督のオリジナルとなるジェットコースタードラマ『リップヴァンウィンクルの花嫁』が入り、小品ながらユーモラスな会話劇が楽しい『セトウツミ』が10位に滑り込み!

ここ2年は日本映画がなかなかランキング入りしなかった中、今回は4本もベストテン入りを果たし、日本映画の逆襲を感じさせるランキングになりました。

惜しくもベストテンに漏れた作品一覧、アンケート選者の個別ランキングとアツい選評の数々は、映画野郎メールマガジンでチェックしてみてください!!

※2016年1月~12月末までに日本で劇場公開された作品から選出! 映画野郎スタッフと映画野郎を応援する友情出演者による選者30名のランキングを1位=10点…10位=1点として換算集計しました!(友情出演でベスト5の方は1位=5点…5位=1点に。順位がない場合、ベスト10は一律5.5点、ベスト5が一律3点に。

2016年「映画野郎ベストテン」結果について語ります!! 

じょ~い小川(以下、小川):新年、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!

KANTO:ジャンル映画ファンのみなさん。今年もよろしくお願いします。

原口一也(以下、原口):2017年も映画野郎をよろしくお願いします! 新年開けたら恒例のベストテン発表ということで。

小川:今回のシネトークでは毎年新春恒例となりました、映画野郎ベストテンの結果についてあれこれ語りたいと思います! 早速見てみますと、今回は特に3位以下で「映画野郎」らしさを発揮出来たんじゃないですかね?

KANTO:チョット待ち! 1位の『シン・ゴジラ』も、メチャメチャ映画野郎寄りの超大作じゃないですか。

小川:あ、そうでしたね。

原口:日本が誇るゆる……くないキャラ、ゴジラが堂々の1位ですよ。そして今年もなかなか映画野郎っぽいラインナップになった……のかな? 僕の事前のベストテン予想は『シン・ゴジラ』は鉄板の1位で、まあ『ヘイトフル・エイト』『デッドプール』あたりは10位内に入ってくるとは思っていたけど、他のラインナップはなかなか意外なところも。ブラックコメディ系がけっこう入ってきましたね

KANTO:今回はとりわけジャンル映画にこだわってランキングしました。まあ、世間で話題のアニメ作品は個人的には普通だったのでランク外でしたが。自分の1位と2位を他のレビュアーがあまり推してなかったのがチョット残念。

小川:ボクは今回ベスト30でやりました。我ながらやりがいがありましたね。さて、集計はいつもながら原口さんの担当だったですが、今回の途中経過としてはどうでしたか?

原口今回はスリリングでしたよ! 1位の『シン・ゴジラ』と2位の『この世界の片隅に』のデッドヒートで、最後に何とかシン・ゴジラが逃げ切った形。前年は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、14年は『ゴーン・ガール』のぶっちぎりだったのに比べると、かなり面白い経過でした。16年はこの2強の1年だったのかと。

小川:世の中的にはこの2強に『君の名は。』と『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』がギリギリで来たんじゃないかな、と。まあ、「映画野郎」としては流石に『君の名は。』はなかったね。

KANTO:興行成績はいかにも流行りの映画ですと言った印象で、数年後には風化しそうな作品ですよね。

小川:そこは今も昔も変わらないっすね。通常運転ですな。

原口:それで1位の『シン・ゴジラ』を語る前に、この「映画野郎」のベストテン投票に『この世界の片隅に』をこれだけ平気でランク上位に入れてくる人が多かったのはどういうことか、ということに言及したい。ぶっちゃけ、これは映画野郎にふさわしいのか? つい先日、「キネマ旬報ベストテン」が発表されたけど、ウチはキネ旬じゃないんだから。正直、集計しながら『この世界…が1位だったらどうしようと思ってましたよ。

小川:それはアンチ『この世界…』のボクとしてはキネ旬ならともかく「映画野郎」に限っては……と思いましたけど、要は、『シン・ゴジラ』と『この世界…』が2016年の映画界のファンダメンタルですかね。最低限、これだけは観てるぞっていうね。

KANTO:『この世界…』は、いわゆるエッセイのような原作漫画をアニメ化した作品ですが、連続テレビ小説みたいなストーリーで全然グッとこなかったなあ。のほほんとしたヒロインがどうにも共感できない。でも、世間的には受け入れられているんですね。

原口:ヒロインものを入れちゃいけないってことはないし、ジャンルでみたら「戦争映画」でもあって反戦メッセージも含んでいるから、入れてオッケーでしょ、という考えもあるかとは思うんだけど……ヒロインが何も戦ってないじゃん! ただ戦争に巻き込まれた女性のヒューマン・ドラマなわけで。感動的で世間的に受け入れられているのはわかるけど、男目線の映画を愛する映画野郎としては守備範囲外の内容だと思うし、そもそも「面白かった映画」を選んでほしいというアンケートだし。

小川:まあ、ここで『この世界…』の話したらキリがないっすよ。あの映画、当時の日本語とか日本人の価値観とか感覚的に色々おかしいから。そこン所、あの時代の日本映画を観て大研究中なんですよね。

KANTO:決して出来が悪い映画じゃないんですよ。むしろアニメとしての表現力に優れているし、観るべき価値もある。でも、どうしても肌に合わない。良い映画でしょ? というイイ子ちゃんメッセージを感じ取ってどうにも居心地悪いんですよ。

小川:そうですね。文部科学省特別認定の作品なんかいらないね。ゴミ箱に捨てましょう。

原口:「良い映画」を選んでほしいワケじゃない。ここの3人は全員『この世界…』を見ているのに、ベストテンに入れてないのもあって、どうしても『この世界…』に厳しくなるね。こんな調子じゃまたTwitterとかで炎上しちゃうかな。

小川:まあ、仕方ないね。

KANTO:原作漫画はとても良かったけど、このテーマなら2時間ほどのアニメ映画にするよりもテレビアニメシリーズにして、ジックリ作った方が良かったんじゃないかな。まあ、世の中が好きな傾向ということで納得はしました。

原口:それでも、『この世界…』を選んだ選者の方が「面白かった」と思ったのなら、それは尊重しましょう。

小川:では、『この世界…』はこの辺にして、改めて1位『シン・ゴジラ』から振り返りましょうか?

原口:『シン・ゴジラ』が1位になってほっとしてます。夏以降あれだけ世間的にも話題になったし、興行的にも81億円という大ヒットで、大方の予想通りではあるのかなと。

小川:確かに予想通りですね。夏の公開で年間1位は鉄板ですね。それと、世間的にも『シン・ゴジラ』にかけて「シン・○○」って文字って遊んでましたし、それこそ『この世界…』や『君の名は。』に負けない社会現象だったんじゃないですかね。

KANTO:『シン・ゴジラ』や『ローグ・ワン』は、2013年に1位になった『パシフィック・リム』に通じる監督のほとばしる情熱に共感する映画ですね。『シン・ゴジラ』の製作現場で、庵野秀明監督が、「すごい映画を作りましょう」と宣言してる裏には、売れ線映画よりも作りたい映画を作ることにこだわっていて、そのアツさが作品にしっかりあらわれている。

小川:3位はタランティーノの『ヘイトフル・エイト』ですね。「映画野郎らしいじゃないですか。

原口:『ヘイトフル・エイト』もほっとする(笑)。タランティーノ監督らしいエグい内容で、貫禄のベストテン入り、というところでしょうか。

KANTO:ジャンル映画をこよなく愛するタランティーノ監督が、グラインドハウス映画の後にチャレンジしたのが、ロードショー超大作。ストーリーや展開はギトギトホラーも真っ青なのに、しっかり往年のハリウッド超大作を彷彿とさせる贅沢極まりない仕上がり。これ、本当に凄いですよ。これが映画の見応えってモンです。

原口:このご時世、こんなバイオレンスなR18+映画がシネコン中心の100スクリーン以上で大々的に公開されるなんて、タランティーノ監督だからというか。

小川:ただですね、『ヘイトフル・エイト』はもう少し遅い時期、7月か8月に公開すれば個人的には確実にベストテンに入れたかと。惜しかった。2月末だから(個人)14位でしたね。けど、順位を下げた理由はそれだけじゃなく、会話中心のサスペンスだったというのも個人的には僅かに順位を下げる要因になりましたかね。

原口:いやいや、その「会話」がタランティーノの得意技だからしょうがない。ジャンル映画としてみたら脱線しまくりなんだけど。

小川:たしかに会話劇にタランティーノの醍醐味がありますけどね。

原口:4位に『ローグ・ワン』が入ったのは、12/16公開で投票まで1カ月弱ということを考えると立派ですよ。去年も12月公開で『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が3位に入ってきて、スター・ウォーズ2年連続の上位入賞

小川:そこはウチのベストテンの強みで、締め切りが遅めの設定なので、皆入れられたのではないでしょうか?

KANTO:これまで2回観て、ギャレス・エドワーズ監督の力量を実感しましたね。これも『シン・ゴジラ』の庵野監督と同じく、作りたい映画をただただ作り上げた感じ。結果的に、エピソード7よりもずっと好きな映画となりましたよ。今後はスルメイカのように何度も味わって楽しむ映画になるでしょう。

原口:僅差の5位が『帰ってきたヒトラー』、これは意外だった。話題だったので見たけど、正直ちょっとピンと来なかった。もっと笑えるかと思ったので。

KANTO:いやいや、これはすごいと言うか、公開時期に観にいけなかったことを今更ながら反省してます。コメディなのにホラーでもある。無茶振りかもしれないけど、これもジャンル映画の範疇に入りますね。

小川:今年というか、その前の年が戦後70年なので、ヒトラーものやナチスものが多かったかな。ボクもさりげなく、5位にナチス関連の『手紙は憶えている』を入れましたしね。

KANTO:ナチ映画は昨年沢山公開されたけど、ドイツ映画がタブーを乗り越えてこんな映画を作れるのか!? ということで、個人的にさらに加点ポイントなりましたね。

原口:確かにドイツでこの内容で作ったのはすごいと思う。タブーに踏み込んだことに対する心意気票かな。で、6位『デッドプール』は3位以内には入ってくるかなと思ってたんだけど、思ったより点が伸びなかった印象。

KANTO:まあ、近年は大体そうなんですが、アメコミ映画はハズレが少ないです。昨年で言えばマーベル系の作品は全て良かったので、特筆して『デッドプール』だけを取り上げることもなかった。

小川:まあ、この作品に関しては「映画野郎」内で他の方と意見が合いませんが、個人的には脚本が受け付けなかったですね。

原口:正義のために戦うわけじゃないアンチ・ヒーローな内容で、ギャグも多いしバイオレンス描写もキツイところが画期的で良かったんだけどね。

KANTO第4の壁と呼ばれる「映画のキャラクターが、観客に話しかける」というフォーマットを存分に使った手法は、苦手な人には難しいかもしれないですね。第4の壁は『マネー・ショート』でも上手く使われてました。

小川:第4の壁ね。まあ、オペレッタ映画は好きなんですけど、単に肌に合わなかっただけということで。

原口:『シング・ストリート 未来へのうた』は、最近駆け込みで見たんだけど最高だった。80年代の英国系ロックが好きかどうかという好みと「世代モノ」としての共感も多分にあるけど、青春映画としての出来も抜群だったと思う。

小川:あ~、ボク、この映画の監督、苦手なんだよね。ロックったって80年代のデュラン・デュランとかポリスでしょ? ボク、その辺は苦手なんですよ。そもそも前作の『はじまりのうた』も全くダメだったし。

原口音楽の趣味が合わないんじゃーしょうがない。こういう音楽モノってホント趣味の違いで評価が分かれちゃうね。その時にそのアーティストを聴いていたかどうかとか。

小川:まあ、そこですね。その代わり同じ80年代ロックでも『ロック・オブ・エイジス』は好きですけどね。要はデュラン・デュランやポリスが好きか、ボン・ジョビやガンズ・アンド・ローゼズが好きかですかね。

KANTO:音楽は全部素晴らしいのだけど、ストーリーが弱かったね。恋愛色が濃すぎてエグ味が足りなかったかなと。ちょっと惜しい作品でした。

小川:それで8位と9位にようやくボクのベストテンとのリンクがね。やっぱし、全くリンクないのと少しでもあるのは違いますよ~。それで、まずは8位の『リップヴァンウィンクルの花嫁』だけど、これはね黒木華の翻弄されぶりがもう面白かったし、何よりも久しぶりに岩井俊二を観たっていう感じでしたね。最近5年間で1本ありましたけど、ノーカウントで。岩井俊二のカムバックでしたね。

原口:どう転がっていくかわからない展開で面白かった。ある意味岩井俊二の復活作にして集大成と言っていいかなと。

小川:ある意味ですね。それと、9位の『ロブスター』は個人的には2010年代でも2位か3位の作品で、もうぶっちぎりでしたけど、この映画って試写室界隈では滅茶苦茶評判悪くて、「え~、この映画、好きなの~」って変態扱いされましたよ。そうそう、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の時もそうだった。あの辺は高齢者にはダメだったみたい。

原口:不条理な世界で、寓意も強くて、好みは分かれる作品だろうけど。僕はベストテンに入れましたよ!

小川:ミヒャエル・ハネケとかラース・フォン・トリアーが好きな方向けですから仕方ありませんね。

原口:下位では、『マジカル・ガール』はかなり衝撃的で面白い映画だったと思うけど、順位的には17位とあまり振るわなかった。これ、面白いのがMUNEさんとKANTOさんの2人が1位で、他誰も入れてなくて20点なの。極端。

KANTO:個人的には1位から6位までほぼ同一なんだけど、エグ味が極めてたのが『マジカル・ガール』。こんな映画、今まで観たことなかったから。後からジワジワ来ました。

小川:あ……今回ね、試写or劇場公開で見逃したからね。10位の『セトウツミ』なんかもその代表作って感じでしたね。

原口:いまからでも見とこうよ! 『セトウツミ』なんて75分しかないからすぐ見られるよ。それにしても『セトウツミ』はベストテンの作品の中でも突出して軽い内容なだけに、意外なランクインだったかな。男が二人でくっちゃべってるだけっていうこの世界、好きな人には好きなんだろうな。関西弁ってところも好みは分かれるかな。

小川:う~ん、そう考えると観たらベストテンに入れちゃいそうな映画ですね。

小川:あと全体的なことで、今年の傾向としては「日本映画の大逆襲」的なことが言えますね。ほとんどの参加者が日本映画を入れてますしね。

原口:そうなんですよね、去年はベストテンに日本映画が1本も入らず、やっと14位に『野火』が入ったのが最高位。2年前も20位以内に7位『そこのみにて光輝く』、14位に『愛の渦』が入ったくらいで、あとは全部洋画。それが今回は、日本映画がベストテンに4本も入賞。20位以内にも『ヒメアノ~ル』、『君の名は。』、『淵に立つ』と並んでいるし、かなりの巻き返しが感じられる。

小川:まあ、ファンダメンタルになった『シン・ゴジラ』、『この世界…』、『君の名は。』の存在の大きさもありますが、それに頼らなくても、『リップヴァンウィンクルの花嫁』しかり、『セトウツミ』しかり、『ヒメノア~ル』、『淵に立つ』しかりですね。とにかく話題作が年間で尽きなかった過去ないんじゃないか、というぐらいの超豊作ですね。野球で言えば22対4ぐらいでバカ勝ちしていて、「明日にとっておけよ」っていう感じですね。ま、明日じゃなくて今年だけどね(笑)。

KANTO:個人的に8位にランクインした『あやしい彼女』は、韓国映画のリメイクなのですが、中味は昭和30~40年代に作られたプログラムピクチャーのいわゆる喜劇映画の流れを踏襲しているので、僕は迷わずジャンル映画だと思いました。去年は他にもでジャンル映画と呼べる邦画の秀作がたくさんあったから、そういう意味では邦画は豊作年と言っても良いでしょう。

小川:そうですね。ボク、やっぱり昭和の喜劇映画が好きだし、音楽のセンスが物凄く良かったんだけど、「映画野郎」的という点で11位にしてしまいましたね。

原口:僕は日本映画の逆襲的な意味では、『シン・ゴジラ』の次に『アイアムアヒーロー』が牽引したと思っていたんだけど、思ったより順位が伸びなかったなという印象。ゾンビ映画はバカにされている?

小川:いや、そこは単純に他の作品の評と割れたんじゃないですかね。日本映画で言えば『湯を沸かすほどの熱い愛』とか『怒り』とかね。

KANTO:『アイアムアヒーロー』は、ほぼ満点に近いホラー映画なんだけど、ヒロインがあまり活躍しないのが不甲斐なくて評価をひとつ下げました。ちょっと勿体無い感じなんだよね。

原口:あとやっぱり映画野郎という媒体目線で言わせてもらうと、ジャンル映画というか娯楽作がもっと入ってきてほしかったかなあ。男目線の作品は確かに多いんだけど。

小川:あ、ボク、ベスト30でも全く入れませんでしたね。

原口:入れてよ! 小川さんはヒューマン・ドラマ好きだから、そこらへんの意識薄いんだよなあ……。

KANTO:せっかく1,800円も払ったんだから、もっともっと非現実の世界に振り回されたいですよね。夢と冒険に満ち溢れた現実逃避の2時間こそが、映画ならではの至福の時間だと思いますよ。ヒューマン・ドラマ嫌いじゃないけど、僕はこれからもホラーやSF映画に入れ込んで今年も乗り切っていく所存です。

原口:そうそう、映画野郎はやっぱり世間的に一段低く見られている男向けなジャンル映画をちゃんと愛していきたいし、ちゃんと評価していきたいです。

小川:そうですね、そこは2016年のボクの反省点ですかね。それでは2017年もバシバシ新作を観ていきましょう。

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【映画野郎ベストテン参考資料・11位以下ランキング (※11点以上獲得の作品)】

11位:オデッセイ  23点
12位:最愛の子  22点
12位:レヴェナント:蘇えりし者  22点
14位:ヒメアノ~ル  21.5点
15位:君の名は。  21点
15位:淵に立つ  21点
17位:マジカル・ガール  20点
18位:キャロル  19点
18位:スポットライト 世紀のスクープ  19点
18位:山河ノスタルジア  19点
21位:ボーダーライン  18点
21位:ハドソン川の奇跡  18点
21位:エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に  18点
24位:ズートピア  17点
25位:アイアムアヒーロー  16点
25位:湯を沸かすほどの熱い愛  16点
27位:暗殺  15点
28位:怒り  13点
29位:ブリッジ・オブ・スパイ  12.5点
30位:バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生  12点
31位:残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-  11点
31位:死霊館 エンフィールド事件  11点
31位:スーサイド・スクワッド  11点
31位:永い言い訳  11点
31位:手紙は憶えている  11点

image by: Shutterstock

 

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