しかし、トランプが対峙しなければならないのは、他国ではなく、実はデジタルによる時代の変化だと僕は考えています。これには絶対に抗うことができません。トランプになびいたように見える資本家や経営者たちの腹の中は、「米国にあらたに投資し(いまは)雇用を生みます、(が、しばらくしたらロボット化します)」と宣言しているようにも聞こえます。
この構造は、日本各地に増え続ける「シャッター通り」にも似ており、その問題の本質は、イオンのような大型店舗の進出だけではなく、インターネットとデジタルに取り残された人が、いつまでも既得権にしがみつき、変化を恐れているからに他なりません。
同じように時代の歪に立つトランプ政権は、どこかで時代に追い詰められ、戦争ではない過酷な道を進まざるを得なくなるでしょう。それは、ハードリセットによる「米国第一主義」です。
このような、いま唱えられている「米国第一主義」のすり替えが、今後4年以内に現実になるかもしれません。例えば、米国債のデフォルトやドルの価値を大幅に変え、世界経済がどんなに滅茶苦茶になろうとも、米国に都合の良いルールを突然発表するようなことが起きることを、覚悟を持って誰もが予見する必要があります。
なぜなら、過去100年において、米国は何度もこのようなことを行なってきたからです。
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